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小説

小説のプロットの書き方|記入例とテンプレートで筋を組み立てる

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この記事の答え

プロットは出来事を起きた順に並べたメモではなく、一つの出来事が次の出来事を起こすつながりを書いたものです。

  • 出来事ごとに「何が起きる・主人公がすること・それで変わること・次へのつなぎ」の四つを書く
  • 出来事のあいだに「だから」か「ところが」が入るかを確かめ、「そして」しか入らない所を直す
  • 結末から一つずつ「これが起きるには、直前に何が要るか」とさかのぼり、足りない出来事や準備を足す
目次

プロットのテンプレートを手に入れても、欄を埋めてみると出来事が順に並んだだけで、なぜ次の出来事が起きるのかが書けていない。そういうプロットは、書き始めてから中盤で止まりがちです。この記事では、架空の題材「返すべき手紙を開けてしまう」を使い、空欄のテンプレート、記入例、欄は全部埋まっているのに筋が通らない案とその直し方、表の一行を本文の場面にするところまでを見せます。読み終えたら、自分の題材を結末までつながるプロットにできます。

プロットに書くこと、書かないこと

辞書では、プロットは「小説・演劇・映画などの筋・構想」(デジタル大辞泉)と説明されます。コトバンクに収録されたブリタニカ国際大百科事典の項目では、E・M・フォースターが『小説の諸相』(1927年)で、出来事を時間の順に並べたストーリーと、因果関係を意識して出来事を組み立てたプロットを区別したことが紹介されています。

この記事でも、プロットを出来事の因果を書いたものとして扱います。「AがあってBがあった」ではなく、「AがあったからBが起きた」「Aのつもりだったが、Bが起きた」が書いてあれば、それはプロットです。

プロットと混同しやすい書類があります。役割が違うので、一枚に全部を詰め込まないようにします。

書類 何のために作るか 中身
プロット 書く前と書く途中に、筋がつながっているか確かめる 出来事ごとの因果、主人公の行動、結末
応募用あらすじ 選考する人に、完成した作品を結末まで伝える 完成稿の要約。書き方は小説の応募用あらすじの書き方で扱っています
設定メモ 人物・場所・年表などの情報を保存する 人物の経歴、地名、時系列。整理の仕方は設定と創作メモを整理する方法へ
執筆計画 いつ、何字書くかを決める 日付と字数。物語の中身は入れない

プロットには、文章の言い回し、細かな描写、台詞を書く必要はありません。台詞は、それがなければ次の出来事が起きない一言だけ、短く書き添えます。

先に決める四つ:主人公・最初の目的・主な障害・仮の結末

出来事を並べる前に、四つだけ決めます。主人公が何を望み、何を選び、どう終わるかがまだ一行も決まっていない場合は、最初の一作を完成させる手順の「望み・障害・選択・結果」を先に埋めてください。ここでは、その先で迷いやすい二つの点を押さえます。

目的は「この場面で手を動かせること」にする

最初の目的が大きすぎると、出来事を一つも書き出せません。

最初の目的を、場面で行動できる形にする

大きすぎる目的

母と祖父を仲直りさせたい。

今すぐ行動できる目的

祖父に何があったのかを、母に知られずに確かめたい。

変更の理由

  • 「仲直りさせたい」は物語全体の願いとしてはあり得ますが、主人公が今日、何をすればよいかが決まりません。出来事の一行目が書けないのはこのためです。
  • 「母に知られずに確かめたい」なら、封を切る、隠す、嘘をつく、という行動がすぐ出てきます。
  • 物語全体で答えたい問いを書いておきたい場合は、小説のテーマの決め方で人物の選択と結びつける方法を扱っています。目的の欄には、物語が動き出す時点の行動を書きます。

目的と障害は、出来事ごとに変わっていく

プロットが「そして」でしかつながらない原因の一つは、目的と障害を最初に一度決めて、そのままにしていることです。実際の物語では、一つの出来事が起きるたびに、主人公の目的が少しずつ変わり、新しい障害が生まれます。主人公が自分で動いた結果として生まれる障害(嘘をついたので、ばれないようにしなければならない、など)があると、次の出来事が自然に決まります。

後で見る記入例の主人公・結衣の目的と障害は、次のように移っていきます。

時点 結衣の目的 障害
封筒を受け取ったとき いつもどおり投函する なし(長年続いた決まり)
宛名の字が違うと気づいたとき 祖父に何があったのかを、母に知られずに確かめたい 母の決まり(開けずに返す)
封を切ったあと 何もなかったことにしたい 封は元に戻らない
母に嘘をついたあと 封筒が返らない理由を、祖父に伝えたい 自分の嘘。母に知られずに行かなければならない
祖父の部屋を出るとき 見たものを母に伝えるか決める 伝えれば、二つの嘘が全部ばれる

空欄テンプレート

ここからは、次の欄を使います。出来事一つにつき、四つの欄を一行ずつ埋めます。

ひな形プロットの因果表(コピーして使えます)

仮題:
長さの目安(字数・場面の数):
主人公(名前・年齢・立場):
最初の目的(物語が動き出す時点で、何をしようとしているか):
主な障害(外の事情/主人公の中のためらい):
仮の結末(最後に主人公が何をしているか):

出来事1
 何が起きる:
 主人公がすること:
 それで変わること(状況・情報・人物の関係・目的のどれか):
 次へのつなぎ(だから/ところが):

出来事2
 何が起きる:
 主人公がすること:
 それで変わること:
 次へのつなぎ:

(出来事3から先も同じ形で、結末まで)

結末からの確認
 結末に必要な物・情報・関係:
 それを用意した出来事:
 主人公の選択で起きた出来事:

いちばん大事なのは「それで変わること」の欄です。ここが空く出来事は、なくても話が通じる出来事です。「次へのつなぎ」には、次の出来事との関係を「だから」か「ところが」で書きます。主人公の行動の結果として次が起きるなら「だから」、予想と違うことが起きて主人公が対応を迫られるなら「ところが」です。

記入例:「返すべき手紙を開けてしまう」

作例の前提は次のとおりです(記事のために作った架空の話です)。

作例作例の前提

主人公:高森結衣(17)。高校二年生。
母:高森由起子(45)。十七年前から、自分の父・森下修造と口をきいていない。
祖父:森下修造(78)。電車で二時間の町に一人で住む。毎年十二月に母へ手紙を送ってくる。
長さの目安:約1万2千字・九つの出来事
最初の目的:宛名の字が違う理由を、母に知られずに確かめたい(物語が動き出す出来事2の時点)
仮の結末:結衣が投函する封筒の意味が、変わる

テンプレートの欄を、一つの表にまとめた記入例です。

出来事 結衣がすること それで変わること 次へのつなぎ
1 十二月。祖父からの封筒に、母が赤で〈受取拒否〉と書く。投函は中二のときから結衣の役目で、今年で四度目 黙って受け取り、登校途中のポストへ向かう (始まりの状態)母と祖父は、毎年返されるこの封筒だけでつながっている ところが
2 宛名の字が、祖父の字ではない 不安になり、ポストの前で封を切る 結衣が母の決まりを破る。封は元に戻らない だから
3 中は代筆の手紙。祖父は秋に倒れ、右手で字が書けない。「返ってくる封筒で、由起子がまだ同じ家にいると分かる。今年も返してくれていい」。末尾に、代筆した隣人・岡部の名前と祖父の住所 何度も読み返す 結衣だけが、祖父の病気と、返される封筒の意味を知る ところが
4 開けた封筒は、もう〈受取拒否〉では返せない。テープでとめて出せば、開けたことが祖父に伝わる 投函も、母に話すこともできず、母には「出した」と言う 目的が「何もなかったことにする」から「返らない理由を祖父に伝える」へ変わる。嘘という新しい障害ができる だから
5 冬休みの初日 母には友人の家に行くと言い、手紙の住所へ一人で向かう 嘘が二つになる ところが
6 祖父のアパート。岡部が押し入れから菓子箱を出す。中は、これまでに返された〈受取拒否〉の封筒が全部。結衣が出した三通もある 今年の封筒を開けてしまったと、祖父に謝る。祖父は「返ってくるのが、返事だった」と言う 結衣は、自分の投函も返事の一部だったと知る だから
7 帰り際、岡部が「この箱、どうする?」と尋ねる 置いていけば嘘は守れる。結衣は箱を持ち帰ると決める 母に嘘がばれることが確実になる だから
8 その夜、母が台所にいる 開けた封筒と菓子箱を母の前に置き、二つの嘘を謝る 母が、祖父が封筒を全部とっておいたことを知る だから
9 翌朝、テーブルに母の字の封筒がある。宛名は祖父、赤い字はない 母に「出してきて」と渡され、ポストへ向かう 結衣が投函する封筒が、拒否から返事に変わる (結末)

表を縦に読むと、どの出来事も前の行の「結衣がすること」か「それで変わること」から生まれています。封を切ったから封は戻らず(2→4)、戻らないから嘘をつき(4)、嘘をついたから一人で行き(5)、行ったから箱を見つけ(6)、見つけたから持ち帰る(7)。外から来る出来事は1と2の「封筒が届く」「宛名の字が違う」だけで、あとは結衣の行動が次を起こしています。

欄は全部埋まっているのに、筋が通らない例

同じ題材で、最初に作った案を見てください。テンプレートの欄はすべて埋まっています。

作例欄は全部埋まっている初案

主人公:高森結衣(17)
目的:母と祖父を仲直りさせたい
障害:母が祖父を許していない
選択:祖父からの手紙を開ける
結果:母と祖父が仲直りする
出来事:
1 祖父から手紙が届く
2 結衣が手紙を開けて読む
3 学校で友人に相談する
4 祖父の家へ行き、昔の話を聞く
5 祖父が入院したと、電話が来る
6 母が病院へ駆けつけ、二人は仲直りする

一見すると、目的も障害も選択も結果もあり、起きる順も自然です。ところが、出来事のあいだに「だから」か「ところが」を入れようとすると、ほとんどの所で「そして」しか入りません。

つなぎ目 入る言葉 起きていること
1→2 そして 開ける理由がない。毎年届く手紙を、なぜ今年だけ開けるのかが書かれていない
2→3 そして 手紙の中身が書かれていないので、読んだ結果、何が変わったのか分からない
3→4 だから(弱い) 友人に「行ってみれば」と言われて行く。行く理由が結衣の外にある
4→5 そして 入院は、結衣が祖父の家へ行ったことと関係なく起きる
5→6 だから 仲直りの原因が入院になり、結衣の行動が結末に関わっていない

このような穴は、三つに分けられます。

  • 理由のない行動(1→2):主人公が動く理由が、出来事の側に置かれていない。直し方は、行動のきっかけになる出来事を一つ置くことです。記入例では「宛名の字が祖父の字ではない」を足しました。
  • 何も変えない出来事(3):友人に相談しても、状況・情報・関係・目的のどれも変わらない。削るか、何かが変わる出来事に替えます。
  • 偶然の解決(5→6):結末が、主人公の行動と関係のない出来事で決まる。結末の直前に、主人公が自分で選ぶ出来事を置きます。記入例の7(箱を持ち帰るか)と8(母に話す)がそれにあたります。

アリストテレスは『詩学』で、ある出来事がその前の出来事の「ゆえに」起きるのか、前の出来事の「あとに」起きるだけなのかで大きな違いがあると述べ、出来事がありそうな、あるいは必然的なつながりなしに次々と続く筋を、最も劣るものとしています(Project Gutenberg の S. H. Butcher 英訳による)。悲劇を論じた本の言葉ですが、プロットを点検する物差しとして今も使えます。

注意出来事を並べる構成がすべて悪いわけではない

連作短編や、日々の暮らしを一話ずつ描く作品のように、出来事を並べていく構成もあります。その場合も、人物の関係が少しずつ近づく、季節とともに一つの事情が明らかになる、といった変化をどこかに置くと、読み進める理由になります。「だから・ところが」の点検は、その変化がどこで起きているかを確かめるために使えます。

起承転結の表は、因果を書いたあとの点検に使う

プロットを起承転結や三幕構成のような型の表で作る方法もあります。型は便利ですが、型の欄を埋めることと、因果をつなぐことは別の作業です。上の初案を起承転結に入れると、四つの欄はきれいに埋まります。

型の欄 初案 記入例を当てはめた場合
起 手紙が届く 1〜2 投函の役目、宛名の字、封を切る
承 手紙を読む、友人に相談する 3〜5 代筆の手紙、嘘、一人で祖父の家へ
転 祖父の家へ行く 6 返されてきた封筒の箱
結 仲直りする 7〜9 箱を持ち帰る、母に話す、母の封筒

初案の表は、欄がすべて埋まっていても、なぜ「転」が起きるのか、「結」が「転」の結果なのかを示していません。型の表だけでプロットを終えると、この穴が見えないまま書き始めることになります。

型が役に立つのは、因果の表を作ったあとです。記入例を当てはめると、意味が大きく変わる出来事(6)が全体の後ろ寄りにあるか、その前の「承」で十分に障害が積み上がっているか、「結」が「転」から生まれているか、を確かめられます。短い作品なら三場面で組むこともあり(短編小説の書き方で扱っています)、どの作品も四つや三つの区切りに合わせる必要はありません。

結末からさかのぼって、足りない出来事を探す

因果の表が一通りできたら、今度は結末から逆にたどります。結末の行から「これが起きるには、直前に何が要るか」を問い、一つ前の行にその答えがあるかを確かめます。答えが表のどこにもなければ、そこが足りない出来事か準備です。

記入例も、最初からこの形だったわけではありません。さかのぼって見つけた穴と、足したものです。

さかのぼる問い 必要なこと 最初の表の状態と、足したもの
9 母が祖父宛ての封筒を書くには? 母が、それまで知らなかったことを知る 最初は「娘に説得されて」書いていた。6の菓子箱(祖父が封筒をとっておいたこと)を足した
8 母がそれを知るには? 結衣が箱を見せる (あり)
7 箱を持ち帰るには? 持ち帰らない楽な道と、それを選ばない理由 最初は祖父が「持っていけ」と渡していた。岡部が「どうする?」と尋ね、結衣が選ぶ形に変えた
6 箱が結衣にとって重いものになるには? 結衣自身が封筒を出してきたことが、前に書かれている 最初の1は「母が投函する」だった。1に「投函は中二から結衣の役目」を足した
5 一人で祖父の家へ行くには? 住所を知る手段と、行く理由 住所の出どころが決まっていなかった。3の代筆の手紙の末尾に置いた
2 封を切るには? 開ける理由が、出来事の側にある 最初は「なんとなく開ける」。宛名の字が違う、を足した

特に6の行のように、結末の重さを支える準備は、ずっと前の行に置くことになります。結末で使う物や事実を前の場面に仕込む方法は小説の伏線の張り方と回収で、結末そのものの決め方や、最後に何を見せて何を残すかは小説の終わり方で扱っています。

確認表結末からさかのぼるときの確認表

  • 結末の出来事は、直前の行の「結衣がすること(主人公の行動)」から生まれているか
  • 結末で使う物・情報・人物の関係は、表のどこかの行で先に出ているか
  • 主人公が「楽な道」と「あえて選ぶ道」を比べる行が、結末の近くに一つあるか
  • 偶然や他人の決定だけで進む行は、物語の最初の一、二行に限られているか
  • 「それで変わること」が空欄の行はないか

表の一行を、本文の場面にする

プロットができたら、表の一行を本文の場面にします。プロットの一行が決めているのは「何が起きて、主人公が何をして、何が変わるか」だけです。どう見え、どう感じられるかは、本文で決めます。記入例の出来事2を場面にしてみます。

作例出来事2を本文にした場面(約300字)

ポストは、駅へ下りる坂の途中にある。結衣は毎年、ここで立ち止まらずに封筒を落としてきた。
今年もそのつもりで鞄から出して、手が止まった。
宛名の字が違う。祖父の字は、右に傾いた細いボールペンの字だった。封筒にあるのは、丸くて大きな、知らない人の字だ。〈高森由起子様〉。その横に、母の赤い字が斜めに入っている。〈受取拒否〉。
裏を返すと、差出人の欄にはいつもどおり〈森下修造〉とあった。それも、同じ丸い字だった。
坂の上から自転車が下りてきて、結衣は封筒を胸に寄せた。自転車が通り過ぎても、腕を下ろせなかった。
祖父が自分の名前さえ書けない理由を、結衣は一つしか思いつかなかった。
封の端に爪を入れると、紙は思ったより簡単に裂けた。

プロットで決めていたこと 本文で足したこと
宛名の字が違う(ところが) 祖父の字と知らない字を、形で比べた(右に傾いた細い字/丸くて大きな字)
不安になる 「不安になった」とは書かず、封筒を胸に寄せる動作と、腕を下ろせないことで見せた
封を切る(結衣の行動) 「思ったより簡単に裂けた」と、取り返しのつかなさを手の感覚に置いた
次の出来事3へつなぐ 差出人の名前まで同じ字にして、祖父が書けない理由を読者にも考えさせた

表の一行が一つの場面になるとは限りません。記入例の4(投函も話すこともできず、母に嘘をつく)は、ポストの前と、夜の台所の二つの場面に分かれます。反対に、7と8を一つの場面で書くこともできます。場面の数は書きながら決めてかまいません。表で守るのは、行と行のつながりです。

書きながら筋が変わったときの扱い

書いているうちに、表になかった出来事を思いつくこともあります。そのとき、本文を先に書き換えるのではなく、表を先に直してから本文に戻ります。

手順書きながら表を直す手順

  1. 思いついた変更を、表の該当する行に書き込む(新しい行なら、どこに入るかを決める)。
  2. 変えた行から結末までの「次へのつなぎ」を、もう一度「だから・ところが」で読み直す。
  3. 結末や主人公の目的が変わる場合は、結末からさかのぼる点検をやり直す。
  4. 変える前の表は消さず、日付を付けて残す。あとで前の筋のほうがよかったと分かったときに戻せます。

記入例を書いている途中で思いついた変更と、その判断です。

思いついた変更 起きること 判断
岡部が母に電話をかけ、結衣の嘘がばれる 母に知られるのが、結衣の選択ではなくなる。7の「箱を持ち帰るか」が意味を失う 採らない。代わりに6で岡部が「お母さんに電話しようか」と申し出て、結衣が「自分で言います」と断る形にした。7の選択がかえって重くなる
祖父が結衣を、一度だけ「由起子」と呼び間違える 結衣が、家を出る前の母を想像する。因果は変わらない 採る。場面の中の出来事として足し、表の行は増やさない
結末を、母と結衣が二人で祖父のアパートを訪ねる場面にする 結末が変わる。投函の役目が「拒否」から「返事」に変わる対比が消える 初稿のあいだは保留。メモに残し、書き終えてから二つの結末を比べる

判断の基準は、変更が主人公の選択を強めるか、弱めるかです。他人や偶然が主人公の代わりに物事を決めてしまう変更は、思いついた時点では劇的に見えても、筋を弱くしやすいものです。

初稿を書いている途中で手が止まった場合の進め方は小説を最後まで書けないときの進め方で、書き終えたあとに筋から改稿する順番は小説の推敲・改稿のやり方で扱っています。

自分の題材で因果の表を作る

練習自分の題材で、結末までの表を作る(40分)

  1. テンプレートの上の六行(仮題から仮の結末まで)を埋めます。最初の目的は「今日、手を動かせること」にします(5分)。
  2. 出来事1と仮の結末だけを先に書きます。そのあいだを、思いつく出来事で埋めます。順番は後で直してかまいません(10分)。
  3. 各行の「それで変わること」を書きます。書けない行には印を付けます(10分)。
  4. 行と行のあいだに「だから」か「ところが」を入れます。「そして」しか入らない所に印を付けます(5分)。
  5. 結末から一行ずつさかのぼり、「これが起きるには、直前に何が要るか」を書き出します。印の付いた所と、さかのぼって見つかった穴を、出来事を足すか削るかで直します(10分)。

表の行が十を超えるような長い作品では、表を章ごとに分けると扱いやすくなります。章ごとの役割を先に決める方法は長編小説の書き方の章カードが使えます。構成の型や筋の組み立てを一冊の本で体系的に学びたくなったら、小説の書き方を学ぶおすすめ本で、止まっている工程に合う本を目次から選ぶ方法を確かめられます。