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発表・本作り

小説新人賞の応募要項の読み方|文字数・書式・締切を順に確認する

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この記事の答え

応募要項は上から読み流さず、資格 → ジャンル → 分量 → 書式・ファイル → 原稿以外に出すもの → 未発表・二重応募・AI → 応募方法と締切 → 提出後の順に、一項目ずつ自分の原稿と照らし合わせます。

  • 最初に、開いているページが応募する回の要項かを確かめる。古い応募マニュアルや過去の回と食い違えば、応募する回の要項を優先する
  • 枚数は「1枚何字×何行で何枚」まで写し、その書式に流し込んで数える。字数だけで判断しない
  • 未発表・二重応募・AIの条件は賞ごとに違う。要約せず要項の文のまま写し、分からない点は問い合わせる
目次

新人賞の応募要項は一画面に収まる長さでも、資格、枚数、書式、締切、未発表の範囲など、十を超える条件が詰まっています。この記事では、架空の要項を一行ずつ読み解く表と、実在の賞の要項から作った確認表を使って、どの順に何を確かめるかを示します。読み終えたら、応募先の要項から自分用の確認表を作り、分からない点を問い合わせの文にまとめられます。

最初に、応募する回の要項を開いているか確かめる

条件を読む前に、そのページがこれから応募する回のものかを確かめます。ページの上部や見出しにある「第◯回」「◯年」の表示と、締切がこれから先の日付になっているかを見ます。検索で出てきたページが、前の回の要項や結果発表のページだったということもあります。

主催者のサイトには、要項のほかに、原稿の作り方を説明した「応募マニュアル」や「よくある質問」が置かれていることがあります。どれも主催者の資料ですが、更新の時期がそろっているとは限りません。迷ったときは、次の順で優先します。

資料 位置づけ 使い方
応募する回の応募要項 応募の条件そのもの すべての判断の基準にする
主催者のお知らせ・よくある質問 要項の補足や変更の告知 要項の文の意味を確かめるときに読む
応募マニュアル・原稿作りの手引き 書き方や提出手順の説明 要項と食い違う箇所は要項に従う
過去の回の要項 以前の条件 変わった点を知る手がかりにとどめる
公募情報サイト・まとめ記事 第三者による要約 募集を見つける入口にし、条件は主催者のページで読み直す

実際に、要項とマニュアルが食い違っている例があります。集英社オレンジ文庫のサイトにある「ノベル大賞マニュアル」は、「ノベル大賞の応募要項では、原稿書式を『縦書きの20字×20行仕様』で作成するように決めています」と説明し、郵送で応募する手順や、Web応募では原稿をテキスト形式に変換して送る手順を載せています。一方、2027年集英社ノベル大賞の応募要項は、次のように定めています。

項目 ノベル大賞マニュアルの説明 2027年集英社ノベル大賞の応募要項
原稿の書式と枚数 縦書きの20字×20行仕様で枚数を計算する 1枚あたり40文字×32行で、80〜130枚
提出ファイル Web応募は原稿をテキスト形式に変換したデータで送る 拡張子が「.docx」または「.txt」のファイル
応募方法 Web応募と郵送の両方の手順を説明 応募フォームのみ。郵送による応募は受け付けない

マニュアルの説明どおりに20字×20行で原稿を作ると、枚数の数え方から違ってしまいます。マニュアルにある読みやすいレイアウトや見直しのこつは参考になりますが、条件は応募する回の要項に合わせます。この記事で挙げる各賞の条件も、確認したときの回のものです。応募するときは、その回の要項を開き直してください。

架空の要項で、一行ずつ読む練習をする

実在の要項に進む前に、架空の要項で読み方を練習します。下の賞と条件は、この記事のために作った架空のもので、実在の賞ではありません。

作例架空の要項:第3回 汐見坂小説新人賞(架空)

【募集作品】日本語で書かれた、自作未発表のエンターテインメント小説。ジャンル不問。
【応募資格】プロ・アマ不問。ただし、小説の単著を商業出版したことのある方を除く。
【枚数】A4横・縦書き、1ページ40字×30行で60〜120ページ。ページ番号を入れること。
【提出形式】Word(.docx)のみ。
【あらすじ】結末まで書いたあらすじを1,000字以内で、原稿とは別のファイルにする。
【応募者情報】応募フォームに氏名・筆名・連絡先・応募歴を入力。原稿には氏名を書かないこと。
【未発表】個人のブログや投稿サイトで公開した作品も応募可。ただし応募時に公開を停止していること。
【重複】他の公募で選考中の作品は応募不可。
【AI】生成AIで作成した文章を本文に含む作品は応募不可。
【応募数】1人2作まで。
【締切】20XX年3月31日 23時59分(日本時間)までに送信を完了すること。
【その他】結果は20XX年9月に公式サイトで発表。選考経過への問い合わせには応じない。原稿は返却しない。

この要項を、書かれていることと、自分の作品で確かめることに分けます。

要項の項目 読み取ること 自分の作品で確かめること・迷う点
応募資格 小説の単著を商業出版した人は応募できない 電子書籍を個人で配信したことがある場合、「商業出版」に当たるかは書かれていない(問い合わせ候補)
枚数 40字×30行の書式で数えて60〜120ページ。字数の指定ではない 原稿をこの書式に設定したファイルで、ページ数を数える
提出形式 .docxだけ。.txtやPDFは不可 保存したファイルの拡張子が.docxか
あらすじ 結末まで、1,000字以内、別ファイル 読者向けの紹介文になっていないか。字数を数えたか
応募者情報 原稿に氏名を書かない 原稿の1ページ目やヘッダーに名前が残っていないか
未発表 個人の公開は可。ただし応募時に公開停止が必要 投稿サイトで「下書きに戻す」のは公開停止に当たるか(問い合わせ候補)
重複 他の公募で選考中の作品は不可 ほかの賞の結果待ちでないか
AI 生成AIで作った文章を本文に含めると不可 AIの推敲案から一文を採用した場合が含まれるか(問い合わせ候補)
締切 日付と時刻があり、「送信を完了」が条件 送信が混み合う締切当日を避けた予定を立てたか

読み解くと、「書かれていること」と「自分の事情に当てはめると分からないこと」が分かれてきます。迷う点は、その場で決めつけず、問い合わせ候補として書き出しておきます。問い合わせの文の作り方は、この記事の最後で扱います。

応募資格とジャンルを、自分の経歴と作品に当てはめる

資格とジャンルは、原稿の出来とは関係なく、合わなければ選考の対象にならない条件です。最初に確かめます。

応募資格の書き方は、賞によってかなり違います。

  • 2027年集英社ノベル大賞の要項:「性別・年齢・プロアマ不問」
  • 集英社短編小説新人賞の要項:「小説作家として商業出版未経験の方。」
  • 講談社ラノベ文庫新人賞(第24回)の要項:刊行歴・受賞歴のある人は、その作品のタイトルと刊行時のペンネームを応募フォームの欄に入力するよう求めている

三つめのように、経歴があっても応募はでき、その代わりに申告を求める形もあります。自分の経歴(商業出版、電子書籍の配信、受賞歴など)を書き出し、資格の文に当てはまるかを一つずつ見ます。年齢の上限・下限、居住地、未成年の場合の保護者の同意といった条件を置く賞もあります。

ジャンルは「エンターテインメント」「純文学」「ライト文芸」のように広く書かれることがあり、自分の作品がどちらに寄るか迷う場合があります。要項の言葉に加えて、その賞の過去の受賞作の傾向や、選考委員の選評を読むと、主催者が求めている作品の幅がつかめます。ただし、ジャンルの合う・合わないで迷う段階は、条件違反の問題ではなく作品選びの問題です。条件として明記されているのは、「日本語で書かれた」「自作」といった、外れると対象外になる事項のほうです。

分量は「何をどう数えるか」まで読む

分量の指定は、見た目が似ていても数え方が違います。要項に出てくる書き方は、主に三つです。

指定の書き方 要項の例 数え方
400字詰め原稿用紙の換算枚数 集英社短編小説新人賞:「原稿は400字詰め原稿用紙25〜30枚換算。」 20字×20行の書式に流し込み、ページ数を数える
指定の書式でのページ数 2027年集英社ノベル大賞:1枚あたり40文字×32行で80〜130枚 指定の字数×行数に設定したファイルでページ数を数える
文字数 第14回日経「星新一賞」(受付は終了):「文章量は、10,000字以内とします。」「ふりがなは、文字数に含まれません。」 指定どおりの条件で文字数を数える

換算枚数やページ数で指定されている場合は、文字数を400で割った数では足りません。改行のたびに行の残りのマスが空くからです。たとえば「はい」という一言のせりふは、かぎ括弧を含めて4字ですが、20字×20行の書式では1行(20マス)を使います。こうした短い行が100行あると、文字数は400字でも、使うマスは2,000マスで、5枚分になります。会話の多い原稿ほど、字数からの単純計算より枚数が増えます。集英社短編小説新人賞の要項も、「あくまで『400字詰め換算』ですので、400字詰め設定の書式で長さをご確認ください」と書いています。

書式の大きさも見ておきます。2027年集英社ノベル大賞の40文字×32行は1枚1,280マスで、80枚なら約10万マス分です。小説すばる新人賞(第40回)の要項は、A4判1枚あたり40字×30行の縦組で「66枚以上167枚以内(400字詰め原稿用紙換算で200~500枚程度)」と、二つの数え方を並べて示しています。講談社ラノベ文庫新人賞(第24回)は1ページ40文字×34行で80〜150ページとし、1ページ目にタイトルとあらすじを書き、そのページは本文のページ数に含めないと定めています。同じ「枚」や「ページ」でも、1枚の大きさと、どのページを数えるかが違います。

文字数の確かめには文字数・段落数カウンター、400字詰めの単純換算の目安には原稿用紙の単純換算が使えます。ただし、要項が書式での枚数を求めている場合の最終確認は、指定の書式に設定した原稿ファイルで行います。

書式とファイル形式は、提出するファイルそのもので確かめる

書式の指定には、1ページの字数と行数のほか、縦書きか横書きか、用紙の大きさ、ページ番号、フォントなどが含まれます。提出するファイルの形式(拡張子)も、賞によって違います。

要項 提出ファイルの指定
集英社短編小説新人賞 拡張子が「.docx」または「.txt」
2027年集英社ノベル大賞 拡張子が「.docx」または「.txt」
小説すばる新人賞(第40回) 「WEB応募によるWordデータ(.docxファイル形式)のみ受け付けます。」ページ番号を必ず入れる
講談社ラノベ文庫新人賞(第24回) テキスト(txt)、MS Word(doc、docx)、OpenOffice(odt)、一太郎(jtd)、PDF(pdf)のみ

同じ集英社の賞でも、.txtで出せる賞と.docxだけの賞があります。確かめるときは、編集中の画面ではなく、提出用に保存したファイルを開き直して、拡張子、1ページの字数と行数、ページ番号、縦書きの設定を見ます。.txtで出す場合は、ルビや傍点、縦書きの設定がファイルに残らないので、ルビの書き方に指定がないかも要項で確かめます。

Wordで指定の書式を作る手順はWordで小説原稿を整える方法で扱っています。PDFでの提出を認める賞に出す場合は、変換後の文字化けやページのずれを小説原稿をPDFにする方法の手順で確かめます。

あらすじと応募者情報など、原稿以外に出すものを数える

本文のほかに、あらすじ、応募者情報、略歴などを求める賞があります。この記事で例にした賞も、いずれもあらすじか応募者情報の入力を求めています。何を、どの形で、どこに出すかを書き出します。

要項 あらすじの指定
2027年集英社ノベル大賞 「800文字~2000文字程度のあらすじを作成してください。」
小説すばる新人賞(第40回) A4判1枚あたり40字×30行の縦書きで1枚にまとめる
講談社ラノベ文庫新人賞(第24回) 原稿の1ページ目に、タイトルに続けてあらすじを書く。物語の結末まで要約する

字数で決める賞、書式の1枚に収める賞、原稿の1ページ目に入れる賞と、形がそれぞれ違います。選考用のあらすじは、読者向けの紹介文と違い、結末まで書くのが一般的です。書き方は小説の応募用あらすじの書き方で扱っています。

応募者情報は、この記事で例にしたWeb応募の賞では応募フォームに入力します。入力欄は応募画面を開かないと分からないこともあるので、締切の直前ではなく、早めにフォームを開いて項目を確かめます。原稿に氏名を書くか書かないか、筆名と本名のどちらをどこに書くかも、要項の指定に従います。講談社ラノベ文庫新人賞(第24回)のように、応募フォームの「略歴、応募歴など」の欄に刊行歴・受賞歴を入力させる賞もあります。

未発表・二重応募・AIは、要項の文のまま写す

この三つは、賞ごとの違いが特に大きく、要約すると意味が変わりやすい条件です。同じ集英社の賞でも、次のように違います。

条件 集英社短編小説新人賞(第241回) 小説すばる新人賞(第40回)
未発表 「日本語で書かれた、自作未発表の作品。」「(Webや同人誌等に個人的に発表したものは応募可とします)」 「応募原稿は、未発表作品に限ります(WEBサイトや同人誌への掲載を含む)。」
二重応募 「同じ作品による他の文学賞への二重応募は認めません。」 「他賞との二重応募となる作品も選考の対象外とします。」
AI 「生成AIを使用して本文を書くことは認めません。」「用途は調べもの・推敲補助といった、創作過程の一部における補助的使用に限ります。」 AIを部分的に使用した場合(プロット作成、文章表現の補助等)は、応募フォームの備考欄にどのように使用したかを記載する

Webで公開した作品は、一方の賞では応募でき、もう一方では未発表の扱いになりません。AIについても、一方は本文の生成を認めず補助的な使用に限り、もう一方は部分的な使用を備考欄で説明するよう求めています。ある賞の条件を、別の賞にそのまま当てはめないことが、この三項目を読むときのいちばんの注意点です。

それぞれ、自分の作品の事実をどう整理し、要項とどう照らすかは別の記事で扱っています。

要項にこれらの記載がない場合は、「記載なし」と書き写しておきます。書かれていないことは、認められているという意味とは限りません。

応募方法と締切は、日付だけでなく時刻と手段まで読む

締切の書き方も賞によって違います。日付だけを写すと、締切当日の何時まで送れるのかが分からなくなります。

要項 締切の書き方
講談社ラノベ文庫新人賞(第24回) 2026年11月9日(月)午後11時59分
集英社短編小説新人賞(第241回) 2026年12月31日(要項のページには日付だけが書かれている)
2027年集英社ノベル大賞 2027年1月10日 23時59分まで
小説すばる新人賞(第40回) 2027年3月31日〈当日24時まで〉

時刻が書かれていない場合は、応募フォームの案内やお知らせに受付終了の時刻がないかを探し、分からなければ前日までに送り終える予定を立てます。上の四つはいずれもWebでの応募で、2027年集英社ノベル大賞と集英社短編小説新人賞の要項は「郵送による応募は受け付けておりません」と明記しています。郵送を受け付ける賞では、「必着」(締切日までに届く)か「消印有効」(締切日の消印があればよい)かで、発送する日が変わります。

応募できる作品の数も、この欄で確かめます。集英社短編小説新人賞と2027年集英社ノベル大賞は「応募は一人3作品まで」、小説すばる新人賞(第40回)は「応募は各回1人1作までとします」、講談社ラノベ文庫新人賞(第24回)は複数応募ができ、1作品ずつ別に送信するよう求めています。

締切から逆算して、推敲や見直しの日を割り振るときは締切からの執筆計画が使えます。

送ったあとに届く連絡と、手元に残す控えを確かめる

要項には、送ったあとのことも書かれています。応募の前に読んでおくと、残すべき控えが分かります。

  • 受付の確認:2027年集英社ノベル大賞の要項では、受付が完了すると確認のメールが届き、受付番号は問い合わせのときに必要になるので控えるよう案内しています。データの破損などで原稿が読めない場合は、メールで連絡があるとしています。登録したメールアドレスに誤りがないか、迷惑メールに振り分けられていないかを、送信の直後に確かめます。
  • 原稿の返却:集英社短編小説新人賞と小説すばる新人賞(第40回)の要項は、応募原稿を返却しないとし、控えを自分で保管するよう求めています。
  • 選考についての問い合わせ:集英社短編小説新人賞、2027年集英社ノベル大賞、小説すばる新人賞(第40回)の要項は、選考に関する問い合わせには応じないとしています。規定外の作品について個別に連絡しないと書く賞もあります。
  • 結果の発表:2027年集英社ノベル大賞は2027年8月下旬にオレンジ文庫公式サイト等で、集英社短編小説新人賞(第241回)は2027年5月に公式サイト等で発表予定としています。発表までの期間は、同じ作品をほかの賞に出せるかどうかに関わります。

送信したら、次のものをまとめて保存しておきます。

確認表応募後に残す控え

  • 送信したものと同じ原稿ファイル(あとで改稿しても、送った版は別に残す)
  • あらすじなど、一緒に送ったファイル
  • 応募フォームに入力した内容(送信前に写しを取っておく)
  • 受付確認のメールと、受付番号
  • 応募したときの要項のページ(保存した日付が分かる形で)
  • 応募日と、結果発表の予定時期

実在の要項から確認表を作る(2027年集英社ノベル大賞の例)

ここまでの順で、実在の要項を一つ確認表にします。例として、2027年集英社ノベル大賞の応募要項から条件を抜き出しました。要項の文は要約せず、短い条件はそのまま写しています。

項目 要項の記載 自分の作品で確かめること
応募資格 「性別・年齢・プロアマ不問」 経歴による制限はない
募集作品 エンターテインメント性のある日本語の小説。「自作、未発表のものに限ります。」 公開したことがある場合、どこまでが「未発表」か(Web・同人誌の扱いは要項に書かれていない)
分量 「小説原稿は1枚あたり40文字×32行で、80~130枚まで。」 40字×32行に設定したファイルで80〜130枚に収まるか
ファイル形式 拡張子が「.docx」または「.txt」 提出用に保存したファイルの拡張子
あらすじ 「800文字~2000文字程度のあらすじを作成してください。」 結末まで書いて、字数が範囲に入るか
重複 「ほかの文学賞等で選考中の作品、入選した作品を応募することはできません。」 ほかの賞で結果待ち、または入選した作品でないか
同じ作品の再送信 2回以上同じ作品を投稿した場合は「先にご応募された作品を採用」 送り直しても差し替えにはならない。送る前に最終版か確かめる
AI 要項に記載なし 使った場合は、主催者の案内を探すか問い合わせる
応募数 「応募は一人3作品までとなります。」 出す作品の数
応募方法 応募フォームのみ。「※郵送による応募は受け付けておりません。」 フォームの入力項目を早めに確かめる
締切 「2027年1月10日 23時59分まで」 送信する日を締切の数日前に決める
提出後 確認メールが届く。受付番号を控える メールと受付番号を保存する

表にすると、この要項で確かめる必要が残る点がはっきりします。この例では、Web公開や同人誌の扱いと、AIの利用については要項に書かれていません。自分の作品が公開歴のないもので、AIも使っていなければ問題になりません。どちらかに当てはまる場合は、主催者の案内を探し、それでも分からなければ問い合わせます。また、「先にご応募された作品を採用」とあるので、送信したあとに誤字を見つけて送り直しても、差し替えにはならないと読めます。送信の前に最終版を確定させることが大切です。

分からない点を、問い合わせの文にまとめる

要項を読んでも自分の事情に当てはまるか判断できない点は、推測で埋めずに主催者に確かめます。要項の「選考に関する問い合わせには応じない」という文(この記事で例にした賞の多くにあります)は、選考の経過や評価についての質問を受け付けないという意味に読めますが、応募条件についての質問を受け付けるかどうかは主催者によって違います。要項、よくある質問、主催者やレーベルのお問い合わせ窓口の案内を探し、条件の質問を受け付ける窓口があるかを確かめてから送ります。

問い合わせの文には、相手がすぐ答えられるように、次の四つを入れます。

  1. 賞の名前と回
  2. 質問に関係する要項の文(そのまま写す)
  3. 自分の事情(事実だけを具体的に)
  4. 答えてほしいこと(「はい/いいえ」で答えられる形にする)

架空の汐見坂小説新人賞で、応募資格について問い合わせる場合の例です。

ひな形応募資格の問い合わせ(例)

【賞の名前と回】の応募を検討している者です。応募資格について一点確認させてください。

要項には「【小説の単著を商業出版したことのある方を除く】」とあります。
私は【20XX年に、個人で電子書籍ストアに小説を1作配信し、販売】したことがあります。出版社を通した刊行はありません。

この場合、応募資格の「商業出版」に当たり、応募できないということになりますでしょうか。
ご確認いただけますと幸いです。

【筆名(または氏名)】
【連絡先】

回答が届いたら、日付と一緒に保存します。回答はその賞のその回についてのもので、ほかの賞には当てはまりません。問い合わせ先が見つからない、または締切までに回答が得られない場合は、要項の文から確実に応募できると言えるかで判断します。言えないときは、その回への応募を見送り、条件がはっきりしている別の賞を選ぶのも一つの方法です。