推敲とは?校正との違い・文章を直す順番・具体例を解説
PRこの記事には広告リンクを含みます。広告と紹介の基準
この記事の答え
推敲は、詩や文章の字句・表現を練り直すことです。誤字や表記の誤りを正す校正、誤りや不備を調べる校閲とは、見るものが違います。
- 推敲は、内容(何を書くか)→構成(どの順に書くか)→文→語句の順に、大きいところから直す
- 誤字・表記の確認(校正)は、推敲が終わってから最後に別の回として行う
- 直す前に「この文章の目的」を一行で書き、直すたびにそこから外れていないかを確かめる
目次
書き上げた文章を読み返して、誤字を直したら終わりにしていませんか。誤字がなくなっても、話がそれていたり、結びがぼやけていたりする文章は、そのまま残ります。この記事では、推敲と校正の違いを辞書の語釈で確かめたうえで、短いエッセイを「内容・構成・文・語句・校正」の順に直す過程を見せます。読み終えたら、自分の初稿で何を先に直すかを決められます。
推敲とは:字句や表現を練り直すこと
推敲は、辞書では次のように説明されています。
- 「詩文の字句や文章を十分に吟味して練りなおすこと。」(デジタル大辞泉)
- 「詩や文章を作るにあたって、その字句や表現をよく練ったり練り直したりすること。」(精選版 日本国語大辞典)
言葉の由来は、唐の詩人・賈島の故事です。賈島は自作の句「僧は推す月下の門」の「推す(おす)」を「敲く(たたく)」に変えるべきか迷い、韓愈に問うて「敲」に決めたと伝えられています(精選版 日本国語大辞典の説明による)。門を「押す」か「たたく」か。どちらも誤りではありません。正しいか間違いかではなく、どちらがその句にふさわしいかを選ぶ。推敲という言葉は、もともとそういう作業を指しています。
校正・校閲との違い
推敲とよく混同されるのが、校正と校閲です。辞書の語釈を並べると、見ているものの違いが分かります。
| 作業 | 辞書の語釈 | 見るもの | 問い |
|---|---|---|---|
| 推敲 | 詩文の字句や文章を十分に吟味して練りなおすこと(デジタル大辞泉) | 内容・構成・文・語句 | もっとふさわしい書き方はないか |
| 校閲 | 文書や原稿などの誤りや不備な点を調べ、検討し、訂正したり校正したりすること(デジタル大辞泉) | 事実・時間・設定の食い違い、内容の誤り | 書かれていることに誤りや矛盾はないか |
| 校正 | 印刷物の仮刷りと原稿を照合し、誤植や体裁の誤りを正すこと(デジタル大辞泉) | 誤字・脱字・表記・体裁 | 文字や表記に誤りはないか |
校正は本来、印刷の前に校正刷りと原稿を照らし合わせる作業を指します。自分で書いて自分で直す場合は、照らし合わせる原稿がありません。この記事では、自分の原稿で誤字・脱字や表記の揺れを確かめる作業を、意味を広げて「校正」と呼びます。
大事なのは、校正と校閲は「誤り」を探し、推敲は「よりよい選択」を探すという違いです。誤りは一つずつ見つけて直せば終わりますが、推敲には「誤りではないけれど、変えたほうがよい」箇所を見つける作業が含まれます。だから、誤字を全部直しても、推敲が終わったことにはなりません。
直す順番:内容 → 構成 → 文 → 語句、校正は最後
推敲は、大きいところから小さいところへ進めます。
| 順番 | 段階 | 確かめること |
|---|---|---|
| 1 | 内容(焦点) | 何を書く文章か、一行で言えるか。そこから外れた話が混ざっていないか |
| 2 | 構成 | 読者が知る順番は自然か。どこから始め、何で終えるか |
| 3 | 文 | 一文の長さ、主語と述語のつながり、説明しすぎの文 |
| 4 | 語句 | 同じ言葉の繰り返し、意味の重なり、語の選び方 |
| 最後 | 校正(と校閲) | 誤字・脱字、表記の統一、時間や事実の食い違い |
この順番にするのは、後の段階の作業がむだにならないようにするためです。語句を丁寧に選び直した段落が、内容の段階で丸ごと削られたら、その作業は消えてしまいます。誤字の確認を最後にするのも同じ理由で、推敲で文を書き換えると、そこに新しい誤字が生まれるからです。
作例:短いエッセイを順番に直す
ここからは、新しく書いた架空の短いエッセイを使います。娘の鉛筆を削った夜のことを書いた文章で、推敲で直す問題と、校正で直す誤りの両方をわざと残しています。
作例初稿「鉛筆」(約280字)
娘の筆箱の鉛筆が、全部丸くなっていた。夜、カッターナイフで削ってやった。最近の子どもは電動の鉛筆削りを使うので、ナイフで削れる人は少ないと思う。学校でもタブレットを使う授業が増え、鉛筆そのものが減っているらしい。
私が子どものころは、父が毎晩、新聞紙を広げて私の鉛筆を削ってくれた。削りかすが新聞の上で丸まっていくの見るのが好きだった。今日、娘の鉛筆を削りながら、その事を思い出した。
削り終えた鉛筆は先がいびつで、父の様には旨くいかなかった。でも娘は翌朝、ペンケースを開けて「とがってる」と喜んでいた。デジタル化が進んでも、手で何かをすることは大切だと思う。
直す前に、この文章の目的を一行で書く
推敲を始める前に、「この文章で何を書きたかったのか」を一行にします。これが、あとのすべての判断の基準になります。
要点「鉛筆」の目的
父が毎晩してくれたことを、父ほどうまくできないまま、今は自分が娘にしている。そのことに気づいた夜を書く。
1 内容:目的から外れた話を外す
目的の一行と照らすと、初稿には目的と関係のない話が三文あります。
内容の段階(第一段落)
初稿
娘の筆箱の鉛筆が、全部丸くなっていた。夜、カッターナイフで削ってやった。最近の子どもは電動の鉛筆削りを使うので、ナイフで削れる人は少ないと思う。学校でもタブレットを使う授業が増え、鉛筆そのものが減っているらしい。
内容を直したあと(朱は削除)
娘の筆箱の鉛筆が、全部丸くなっていた。夜、カッターナイフで削ってやった。最近の子どもは電動の鉛筆削りを使うので、ナイフで削れる人は少ないと思う。学校でもタブレットを使う授業が増え、鉛筆そのものが減っているらしい。
変更の理由
- 「最近の子ども」「タブレット」の二文は、世の中についての一般論です。父と自分と娘の話から、読者の目をそらしてしまいます。
- 結びの「デジタル化が進んでも、手で何かをすることは大切だと思う」も同じ理由で外します(次の構成の段階で、結びを入れ替えます)。
- 一般論そのものが悪いわけではありません。目的が「子どもと道具の変化」を書くことなら、この二文が中心になります。削るかどうかは、目的の一行で決まります。
2 構成:読者が知る順番と、結びを決める
次に、段落の順番と役割を見直します。
| 初稿の流れ | 直したあとの流れ | 理由 |
|---|---|---|
| 削った → 一般論 → 父の記憶 → 「思い出した」 → いびつな先 → 娘の喜び → 一般論の結び | 削る → 刃を入れた匂いで父の記憶 → いびつな先 → 翌朝の娘の一言 | 記憶がよみがえるきっかけを、削る手元に置く。結びは一般論ではなく、娘の一言で終える |
初稿では、父の記憶が「今日、娘の鉛筆を削りながら、その事を思い出した」という報告になっていました。構成を直すときは、記憶を今の場面の中で、何かをきっかけに出てくる位置へ移します。結びは、目的の一行にいちばん近い出来事、つまり父ほどうまく削れなかった鉛筆を、娘が喜んだ場面で終えます。
3・4 文と語句:説明を減らし、繰り返しを整える
構成が決まってから、文と語句を直します。
文と語句の段階(第二段落)
構成を直した直後
私が子どものころは、父が毎晩、新聞紙を広げて私の鉛筆を削ってくれた。削りかすが新聞の上で丸まっていくの見るのが好きだった。今日、娘の鉛筆を削りながら、その事を思い出した。
文と語句を直したあと(朱は削除、緑は追加)
刃を入れるたびに、木の匂いが立つ。私が子どものころは、父がは毎晩、新聞紙を広げて私の鉛筆を削ってくれた。削りかすが新聞の上で丸まっていくの見るのが好きだった。新聞の上で丸まっていく削りかすを、私は飽きずに眺めていた。今日、娘の鉛筆を削りながら、その事を思い出した。
変更の理由
- 「その事を思い出した」は、記憶が出てきたことを説明する文です。直前に「木の匂い」というきっかけを置けば、思い出したと書かなくても、読者は今と昔がつながったと分かります。
- 「丸まっていくの見るのが好きだった」は、「の」が続いて音読で引っかかります。「好きだった」と気持ちを言う代わりに、「飽きずに眺めていた」と様子で書きました。
- 「削る」は初稿に七回ありました。一般論の二文と「思い出した」の文を外し、第三段落を書き換えた結果、三回に減りました。このように語句の繰り返しは、内容と構成を直すだけで減ることがあります。語句の段階で一語ずつ言い換える前に、数え直します。
- 「削ってやった」の「やった」は残しました。子どもに対する親の、少しぶっきらぼうな口調がこの文章の声だからです。目的に関わらない言い回しまで整えると、書き手の声が消えます。
最後に校正:誤字・表記・時間の食い違い
推敲が終わってから、誤りを探します。ここでは「よりよい書き方」ではなく、「誤りかどうか」だけを見ます。
| 箇所 | 種類 | 直し方 |
|---|---|---|
| 丸まっていくの見る | 脱字 | 「のを見る」(推敲で文ごと書き換えたため、結果的に消えた) |
| その事、父の様に | 表記の統一 | 「こと」「ように」とひらがなにそろえる(文章全体でどちらかに統一) |
| 旨くいかなかった | 変換の誤り | 「うまく」 |
| 筆箱/ペンケース | 同じ物の呼び方の揺れ | 「筆箱」にそろえる |
| 翌朝のことまで書いているのに「今日」 | 語っている時点の食い違い(校閲) | 「その夜」などにする。推敲で文ごと削ったため解消 |
表の一行目と最後の行のように、推敲で文を書き換えた結果、誤りが消えることもあります。反対に、書き換えで新しい誤字が入ることもあるので、校正は必ず推敲のあとに行います。
直したあとの全文
作例推敲・校正後「鉛筆」(約170字)
娘の筆箱の鉛筆が、全部丸くなっていた。夜、カッターナイフで削ってやった。
刃を入れるたびに、木の匂いが立つ。子どものころ、父は毎晩、新聞紙を広げて私の鉛筆を削ってくれた。新聞の上で丸まっていく削りかすを、私は飽きずに眺めていた。
どの鉛筆も、先が少しいびつになった。父のようにはうまくいかない。
翌朝、娘は筆箱を開けて、「とがってる」と声を上げた。
推敲で文章は短くなりましたが、短くすることが目的だったわけではありません。目的の一行から外れた部分を外し、残った部分を目的に向けて並べ直した結果、短くなりました。目的によっては、推敲で文章が長くなることもあります。
目的が変わっていないかを、段階ごとに確かめる
推敲では、直しているうちに文章の目的が少しずつずれることがあります。一文ずつ見ると、どれも良くなっているのに、全体では別の文章になっている、という形です。
「鉛筆」で、結びを次のように直したとします。
結びの直し方の比較
目的どおりの結び
翌朝、娘は筆箱を開けて、「とがってる」と声を上げた。
目的がずれた結び
翌朝、娘は筆箱を開けて、「とがってる」と声を上げた。あの夜の父の背中を、私は今もなぞっているのだと思う。
変更の理由
- 足した一文は、きれいな言い回しです。けれど、この一文で文章の中心は「娘の一言」から「父への思い」へ移り、目的の一行(父ほどうまくできないまま、今は自分がしている)からずれています。
- 父への思いを書く文章にしたいなら、それは別の目的です。その場合は、目的の一行を書き直してから、内容の段階に戻って直します。
- 目的どおりかどうかは、各段階の終わりに、目的の一行と全文を並べて読むと確かめられます。
誤字の確認だけでは見つからないもの
初稿「鉛筆」の問題を振り返ると、誤字や表記、時間の食い違いといった誤りとして見つかるのは、校正の表に挙げた五つだけです。次のものは、文字としては何も間違っていないので、誤字の確認や校正ツールでは見つかりません。
- 目的と関係のない一般論が三文混ざっている(内容)
- 記憶が「思い出した」という報告になっている(構成・文)
- 結びが、本文と関係の薄い一般論で終わっている(構成)
- 「削る」が七回繰り返されている(語句)
どれも「誤り」ではなく「選択」の問題です。だから、読み手として自分の文章を読み、目的と照らして判断するしかありません。校正ツールで拾えることと拾えないことの線引きは、小説に校正ツールを使う方法で詳しく扱っています。
時間を置いて、声に出して読む
推敲で難しいのは、自分の文章を他人のように読むことです。書いた直後は、頭の中にある意味で文の足りない部分を補ってしまい、引っかかりに気づけません。
手順時間を置いた音読の手順
- 書き終えてから、少なくとも一晩は置く。長い作品なら数日空けると、細部を忘れて読めます。
- 表示を変える。縦書きと横書きを切り替える、フォントや文字の大きさを変える、紙に印刷する。見た目が変わると、読み慣れた文章でも新しく読めます。
- 声に出して、普通の速さで読む。黙読では目が先へ進み、つまずきを飛ばしてしまいます。
- 引っかかった箇所に、その場で印だけ付ける。息が続かなかった所、読み間違えた所、同じ音が続いて口が回らなかった所、読んでいて退屈した所。直すのは読み終えてからにします。
「鉛筆」の初稿を音読すると、「丸まっていくの見るのが好きだった」で口が止まります。「の」が三回続くうえに、脱字もあるからです。音読は、こうしたリズムの崩れと誤字を同時に見つけるのに役立ちます。
ただし、声に出して読みやすいことと、よい文章であることは同じではありません。息の長い一文で緊張を続ける書き方や、わざと同じ音を重ねる書き方もあります。音読で引っかかった箇所は、「直す候補」として印を付け、その引っかかりに意味があるかどうかを読み終えてから判断します。
小説と短詩では、どこを先に見るか
推敲の順番(内容→構成→文→語句→校正)は、どの形式でも同じです。ただ、形式によって「内容」や「構成」で見る中身が変わります。短い作例で比べます。
小説の一場面
小説の一場面
修正前
沙也は緊張していた。今日は初めての面接だったからだ。エレベーターのボタンを押す指が震えていた。
修正後
エレベーターのボタンを押す指が、少し震えた。九階。初めての面接まで、あと二十分ある。
変更の理由
- 内容:この場面の役割は「面接の前の緊張を読者に感じてもらう」ことです。
- 構成:修正前は「緊張していた」と結論を先に言い、理由、体の反応の順でした。修正後は体の反応を先に見せ、理由をあとから置いています。読者は震える指を見てから理由を知るので、緊張を自分で読み取れます。
- 文:「〜からだ」の理由の説明を外し、「九階」「あと二十分」という短い事実に置き換えました。
- 人物の内面を地の文ではっきり書く語り方の作品なら、「緊張していた」と書く形が合う場合もあります。
小説では、一場面の推敲より先に、作品全体の筋や人物の推敲があります。原稿全体を構成から直す順番と、版の残し方は小説の推敲・改稿のやり方で、架空の短編を使って扱っています。
短歌
短歌のように短い形式でも、順番は同じです。ここでは、子どもが家を出たあとの朝を詠んだ一首を直します。
短歌の推敲
修正前
作例・短歌修正前
| 句 | よみ | 音数 |
|---|---|---|
| 子が家を | こがいえを | 5音 |
| 出てさびしいと | でてさびしいと | 7音 |
| 思う朝 | おもうあさ | 5音 |
| 物干し竿の | ものほしざおの | 7音 |
| 靴下が減る | くつしたがへる | 7音 |
合計31音(5・7・5・7・7)/短歌の基準どおり
修正後
作例・短歌修正後
| 句 | よみ | 音数 |
|---|---|---|
| 誰ひとり | だれひとり | 5音 |
| 起こさずにすむ | おこさずにすむ | 7音 |
| 春の朝 | はるのあさ | 5音 |
| 物干し竿の | ものほしざおの | 7音 |
| 靴下が減る | くつしたがへる | 7音 |
合計31音(5・7・5・7・7)/短歌の基準どおり
変更の理由
- 内容:この歌の中心は「靴下が減る」という景です。修正前の上の句は「さびしいと思う」と気持ちを言葉で言ってしまい、下の句の景が説明の後追いになっていました。
- 修正後は、上の句を「誰ひとり起こさずにすむ春の朝」という生活の変化に替えました。さびしいとは書いていませんが、毎朝起こしていた相手がいなくなったことが、景と重なって伝わります。
- 気持ちの言葉を入れた歌がすべて弱いわけではありません。景のほうを淡くして、気持ちの言葉を一首の中心にする作り方もあります。
- 校正の段階では、「物干し竿」の読み(ものほしざお)と、「物干竿」のような送り仮名の揺れを、ほかの歌とそろえて確かめます。
形式ごとに、内容と構成の段階で見る中身をまとめると次のようになります。詳しい直し方は、それぞれの記事で扱っています。
| 形式 | 内容・構成の段階で見ること | 詳しい記事 |
|---|---|---|
| 小説 | 主人公の選択と結果、人物の理由、場面の役割と配分 | 小説の推敲・改稿のやり方 |
| エッセイ | 体験の焦点、体験と考えの割合、結びの位置 | エッセイの推敲のやり方 |
| 短歌 | 一首の中心、説明の言葉、上の句と下の句の関係 | 短歌の推敲のやり方 |
| 俳句 | 季語と景の重なり、具体性、切れの位置 | 俳句の推敲のやり方 |
| 詩 | 抽象語と具体の割合、比喩、改行と連 | 詩の推敲のやり方 |
直しすぎて、書きたかったことが消えたとき
推敲を重ねると、ある時点から文章が良くならず、かえって弱くなることがあります。次のような状態になったら、直しすぎを疑います。
| 直しすぎのサイン | 起きていること |
|---|---|
| 最初に書きたかった言葉や場面が、いつの間にか消えている | 問題を取り除くことに集中し、文章の中心まで削った |
| 誰が書いても同じような、整った文になった | 引っかかりと一緒に、書き手の声まで消した |
| 前に直した箇所を、元に戻したくなる | 好みの入れ替えを繰り返していて、判断の基準がなくなっている |
| 直す内容が、語句の置き換えばかりになった | 推敲で直すべき大きな問題は、もう残っていない |
「鉛筆」でいえば、結びの「とがってる」という娘の一言を、「子どもらしい言葉は甘い」と考えて削ってしまうのが直しすぎです。この一言は、父ほどうまく削れなかった鉛筆を娘が喜んだ、という文章の中心だからです。
戻せるようにして、止める基準を決める
手順直しすぎを防ぐ方法
- 推敲の前の版を残す。上書きせず、「鉛筆_01初稿」「鉛筆_02推敲」のように版を分けて保存します。直しすぎたと気づいたら、前の版から一部を戻せます。
- 残す言葉を先に決めておく。目的の一行と一緒に、「この言葉・この場面は残す」と書いておきます。「鉛筆」なら「とがってる」と「削ってやった」です。
- 止める基準を決める。目的の一行どおりになっている、音読して引っかかる箇所がない、残りの修正が語句の好みの入れ替えだけになった。この三つがそろったら、推敲を終えて校正に進みます。
推敲すれば必ず作品が良くなるわけではありません。どこで手を止めるかも、推敲の判断の一つです。
推敲の共通確認表
形式を問わず使える確認表です。上から順に見ていきます。
確認表推敲と校正の確認表
-
【準備】この文章の目的を一行で書いた。残したい言葉や場面を書き出した
-
【準備】前の版を残してから直し始めた
-
【内容】目的の一行から外れた話(一般論・別の話題)が混ざっていない
-
【構成】読者が知る順番が自然。始まりと結びが、目的に沿っている
-
【文】一文が長すぎて意味が追えない箇所、説明しすぎの文がない
-
【語句】近くで同じ言葉が続いていない。続く場合は、意図した繰り返しである
-
【音読】時間を置いて声に出して読み、引っかかった箇所を確かめた
-
【目的】直したあとの全文が、目的の一行からずれていない
-
【校正】誤字・脱字、変換の誤り、表記の揺れ、時間や事実の食い違いを確かめた