小説のキャラクター設定の作り方|目的・弱点・行動をつなぐ
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この記事の答え
人物の設定は、項目の数ではなく、目的・弱点・譲れないことが一つの選択の場面でぶつかるかで作ります。
- 「この物語で何をしたいか(目的)」と「その奥で何を求めているか(欲求)」を分けて一行ずつ書く
- 外の障害と、本人の弱点・恐れ、譲れないことを決める。過去は、いまの行動の理由になるものだけ残す
- 同じ状況に置いて、その人物だけが選ぶ行動を書く。行動が不自然なら、理由・代償・設定・筋のどれかを直す
目次
誕生日、血液型、好きな食べ物、家族構成まで埋めた設定表があるのに、本文の人物はプロットに書かれたとおりに動くだけ。そう感じるときは、設定表の項目が「行動を決める項目」になっていないのかもしれません。この記事では、架空の高校生・戸村夏帆を一枚の設計表で作り、同じ状況での選択、設定を本文へ移す対応表、不自然な行動の直し方まで、同じ人物を通して見ていきます。読み終えたら、自分の人物の設定が本文のどの行動に効いているかを確かめられます。
設定の項目を「行動を決めるもの」から埋める
人物の設定には、本文の行動を決める項目と、決めない項目があります。最初に埋めるのは前者だけで十分です。
| 項目 | 行動を決めるか | 理由 |
|---|---|---|
| 目的・欲求 | 決める | 人物が場面で何をしようとするかの出発点になる |
| 弱点・恐れ | 決める | 目的に向かう途中で、何を避け、どこでためらうかが決まる |
| 譲れないこと | 決める | 楽な道があっても選ばない行動が決まる。迷う場面が生まれる |
| 誕生日・血液型・好きな食べ物 | ふつうは決めない | 本文で使う場面がなければ、決めても読者には届かない |
| 名前・外見 | 行動は決めないが、第一印象を作る | 読者が人物を見分ける手がかりになる |
誕生日や好きな食べ物を決めるのがむだ、というわけではありません。その日が物語の当日になる、好物を断る場面で迷いを見せる、というように使う場面が決まったときに決めれば足ります。名前は小説のキャラクターの名前の付け方、外見の伝え方は小説の容姿の描写で扱っています。
注意性格の型や属性から行動を決めない
性格診断の型、血液型、病名や障害の名前、性別・年齢・出身地などの属性から「この人はこう行動するはず」と決めると、人物はどれも型どおりになり、偏った決めつけを書くことにもなります。同じ属性の人でも、目的と恐れが違えば選ぶ行動は違います。行動は、その人物の目的・恐れ・譲れないことと、置かれた状況から決めます。
目的と欲求を分けて書く
人物の「望み」には、二つの層があります。
| 目的 | 欲求 | |
|---|---|---|
| 何か | この物語の中で達成したいこと | 目的の奥で、本人が本当に求めていること |
| 書き方 | 達成したかどうかが外から分かる形にする(〜に選ばれる、〜を見つける) | 気持ちの言葉でよい(認められたい、安心したい) |
| 本人の自覚 | ある | ないこともある |
| 本文での出方 | 会話や行動で何度も示される | 目的と関係のない場面の反応に、ふと出る |
目的だけを決めると、同じ目的の人物はみな同じ行動を取ります。欲求だけを決めると(「幸せになりたい」など)、人物が場面で何をすればよいかが決まりません。二つを分けておくと、目的が叶っても欲求は満たされない、目的を手放して欲求が満たされるといった結末も選べるようになります。
作例の戸村夏帆は、次のように書きました。
- 目的:来月の県大会で、リレーのメンバー四人に選ばれる(候補は五人。来週の100メートルの計測で決まる)
- 欲求:全国大会に出た兄の「妹」としてではなく、自分の名前で見られたい
同じ目的を持つ部員が三人いたとしても、欲求が違えば、選考までの過ごし方が変わります。
| 人物 | 目的 | 欲求 | 選考前の一週間にすること |
|---|---|---|---|
| 戸村夏帆 | リレーのメンバーに入る | 兄の妹ではなく、自分として見られたい | 居残り練習はしない。ただし、毎晩タイムを日誌に付ける |
| 牧(同学年) | 同じ | チームで勝ちたい | バトン練習の相手を自分から探す |
| 小田(一年) | 同じ | 先輩たちに認められたい | 先輩の練習の手伝いを申し出て、合間に走る |
障害・弱点・譲れないことを決める
目的が決まったら、それを難しくするものを外と内から一つずつ決めます。加えて、楽な道があっても選ばないことを一つ持たせると、人物は場面で迷うようになります。
| 項目 | 意味 | 夏帆の場合 |
|---|---|---|
| 障害(外) | 目的を難しくする状況や人 | 候補五人で枠は四つ。牧は安定して速く、残る一枠を一年の小田と争う |
| 弱点・恐れ(内) | 本人の中で目的を難しくするもの | 本気で挑んで負けること。本気だったと人に知られること |
| 譲れないこと | 損をしても守ること | 記録はごまかさない。タイムだけは嘘をつかないと思っている |
| 矛盾する癖 | 言っていることと、していることのずれ | 「部活なんて適当」と言いながら、毎日のタイムを百分の一秒まで日誌に書き、誰にも見せない |
弱点は「欠点を一つ付けておく」ことではありません。目的に近づくほど強く働くものを選びます。夏帆の恐れは、選考が近づくほど彼女を練習から遠ざけます。
譲れないことは、目的とぶつかる位置に置くと効きます。夏帆の「記録はごまかさない」は、ふだんは何の問題も起こしませんが、記録が自分に有利に間違っていたとき、目的とまっすぐ衝突します。
矛盾する癖は、人物の内側の対立を、説明せずに読者へ見せる手がかりです。「適当」と言う口と、百分の一秒まで書く手。読者はこのずれから、夏帆が本当は本気であることに気づけます。
人物設計表:空欄と記入例
ここまでの項目を、一枚にまとめます。最後の二行は、設定を本文の場面へつなぐための欄です。
ひな形人物設計表(コピーして使えます)
名前・立場(一行): 目的(この物語で達成したいこと): 欲求(目的の奥で求めていること): 障害(外): 弱点・恐れ(内): 譲れないこと: 矛盾する癖: 行動に関係する過去(一つ): 最初に選ばせる場面: いちばん大きな選択の場面:
作例記入例:戸村夏帆
名前・立場:戸村夏帆。県立高校二年、陸上部の短距離。顧問は兄も教えていて、夏帆を「戸村妹」と呼ぶ。
目的:来月の県大会で、リレーのメンバー四人に選ばれる。
欲求:全国大会に出た兄の妹としてではなく、自分の名前で見られたい。
障害:候補五人で枠は四つ。残る一枠を一年の小田と争う。
弱点・恐れ:本気で挑んで負けること。本気だったと知られること。
譲れないこと:記録はごまかさない。
矛盾する癖:「部活なんて適当」と言いながら、タイムを百分の一秒まで日誌に書く。日誌は誰にも見せない。
行動に関係する過去:中学三年の県大会、リレーのアンカーでバトンを落とした。
最初に選ばせる場面:顧問に「戸村妹、リレー出るよな」と聞かれ、「出られたら出ます」とだけ答える。
いちばん大きな選択の場面:選考の計測で、自分のタイムが実際より速く記録されたことに気づく。
項目は十ありますが、どれもほかの欄とつながっています。恐れ(本気で負けること)は過去(バトンを落とした)から来ていて、矛盾する癖(隠れて記録を付ける)は恐れと譲れないこと(記録はごまかさない)の両方から来ています。そして、いちばん大きな選択の場面では、目的と譲れないことがぶつかります。欄どうしが線でつながらない項目は、まだ行動に効いていない項目だと考えて、見直します。
過去の設定は、いまの行動の理由になるものだけ残す
過去の出来事は、いくらでも作れます。夏帆についても、最初は次のような過去を考えていました。
| 考えた過去 | いまのどの行動の理由になるか | 判断 |
|---|---|---|
| 中学三年の県大会で、アンカーとしてバトンを落とした | 本気で挑むのを避ける。人前で失敗した人をかばう | 残す。本文に一度だけ出す |
| 兄が高校時代に全国大会に出た | 「戸村妹」と呼ばれたときの反応 | 残す。説明せず、呼び方で見せる |
| 小学生のころピアノを習っていた | 思いつかない | 本文には出さない |
| 両親が共働きで、夕飯はいつも一人 | 日誌を付ける時間がある、程度 | 本文には出さない。必要になったら使う |
| 中学では生徒会の書記だった | 記録をきちんと付ける理由、とも言えるが、なくても成り立つ | 削る |
判断の基準は、「この過去があるから、いまこの行動を選ぶ」と一行で書けるかです。書けない過去は、設定メモに残しておいてかまいませんが、本文には出しません。
残した過去も、出す場所を選びます。バトンを落とした過去は、物語の最初に説明するより、夏帆がその過去を思い出す理由のある場面(バトン練習や、誰かが人前で失敗した場面)に置くほうが、読者は行動と結びつけて受け取れます。説明の量と出す順番の決め方は、小説が説明ばかりになるときの直し方で扱っています。
同じ状況に置いて、その人物だけの選択を書く
設定が行動に効いているかを確かめるいちばん早い方法は、別の人物と同じ状況に置いてみることです。全員が同じ行動を取るなら、設定はまだ人物を分けていません。
状況は、夏帆の「いちばん大きな選択の場面」です。
選考の計測で、記録係の一年生が、夏帆のタイムを12秒91ではなく12秒61と書いた。日誌を付けている夏帆だけが、その数字はありえないと分かった。このタイムなら、メンバーに入れる。
同じことが別の人物に起きたら、と仮定して並べます。
| 人物 | 効いている設定 | 選ぶ行動 | 言い方・しぐさ |
|---|---|---|---|
| 戸村夏帆 | 譲れないこと(記録はごまかさない)と、恐れ(本気だと知られたくない) | 訂正を申し出る。ただし冗談めかして | 「それ計測ミスでしょ。私そんなに速くないって」と笑う |
| 牧 | 欲求(チームで勝ちたい) | 自分から計り直しを頼む | 「もう一本走らせて。ちゃんとした記録で選ばれたいから」 |
| 推薦入試のために記録が欲しい三年生(仮の人物) | 目的(記録が欲しい)と、恐れ(親を失望させたくない) | その場では黙る。あとで記録係に探りを入れる | 「ストップウォッチ、押すの遅れてなかった?」 |
夏帆の行動は、「訂正する」という選択だけでなく、「笑ってごまかしながら訂正する」という言い方にまで設定が出ています。譲れないことが選択を決め、恐れが言い方を決めているわけです。
作例作例:夏帆が選ぶ場面
記録用紙を受け取った一年生が、ボードに数字を書き写していく。牧、12秒74。小田、12秒88。戸村、12秒61。
夏帆はその数字を二度見た。この一週間、日誌に書いた数字は12秒9台から一度も動いていない。十分の三秒も一度に縮まるはずがない。
「戸村先輩、すごいじゃないですか」と小田が言った。顧問はボードを見て、黙ってうなずいている。
このまま何も言わなければ、四人目は自分になる。
夏帆はスパイクのひもをほどきながら、ボードの前まで歩いた。
「それ、計測ミスでしょ。私そんなに速くないって」
笑って言ったつもりだったが、記録係の一年生は青い顔でストップウォッチを握りしめた。
この場面には、「夏帆は記録をごまかさない性格だった」という説明が一文もありません。それでも、日誌の数字を覚えていること、黙っていれば選ばれると分かっていること、それでも言うこと、笑って言うことで、設計表の四つの欄が読者に届きます。
この選択の結果、夏帆は目的から遠ざかります。物語を通して人物がどう変わっていくかを、序盤・中盤・終盤の選択の違いで見せる方法は、小説のキャラクターの成長の描き方で扱っています。また、主人公と対立する人物にも同じ設計表は使えます。相手側の目的と、主人公と両立しない条件の作り方は、小説の悪役の作り方を参照してください。
設定を本文のどこで見せるかを、対応表にする
設計表ができたら、各項目を本文のどの場面で、どんな形で見せるかを決めます。設定は、地の文で説明するより、選択・会話・動作や持ち物のどれかに移すと、読者が自分で気づける形になります。
| 設定の項目 | 本文での出し方 | 出す場面 |
|---|---|---|
| 目的 | 選考の日程を確かめる会話 | 場面1 部室 |
| 欲求 | 「戸村妹」と呼ばれ、「夏帆です」と言い直す | 場面1 部室 |
| 恐れ | バトン練習だけ、理由をつけて早めに抜ける | 場面2 グラウンド |
| 行動に関係する過去 | バトンを受け取る瞬間に、手が一度止まる。一文だけ思い出す | 場面2 グラウンド |
| 矛盾する癖 | 帰りの電車で日誌を開き、誰かが隣に座ると閉じる | 場面2の終わり |
| 譲れないこと | 有利な計測ミスを自分から訂正する | 場面3 計測 |
表にすると、一つの場面に設定が詰まりすぎていないか、まったく出てこない設定がないかも見えます。表に出す場面が書けない項目は、物語に必要ない項目かもしれません。
設定の説明文を、場面に移す
設計表をそのまま地の文に写すと、次のような段落になります。
設定の説明を、会話と持ち物に移す
修正前(設定の説明)
夏帆は負けず嫌いなのに、本気を見せるのが苦手な性格だった。中学三年の県大会でバトンを落としてから、本気で走って負けるのが怖くなったのだ。兄は全国大会に出た選手で、夏帆はいつも兄と比べられることに不満を持っていた。
修正後(場面)
「戸村妹、リレー出るよな」
部室の入口から、顧問が名簿を振った。
「夏帆です」と言ってから、夏帆は付け足した。「出られたら出ます」
「なんだそれ。兄貴は一年から出てたぞ」
顧問がいなくなると、夏帆はロッカーの奥から青いノートを出し、昨日の欄に12秒93と書き足した。その上の行には、12秒95、12秒94と、同じ筆圧の数字が並んでいる。
変更の理由
- 「兄と比べられる不満」は、呼び方を言い直す一言と、顧問の「兄貴は」で見せました。不満という言葉を使わなくても、比べられていることと、それを嫌がっていることが伝わります。
- 「本気を見せるのが苦手」は、「出られたら出ます」というはぐらかしと、毎日の数字を書くノートのずれで見せています。
- バトンの過去は、この場面では出していません。恐れの理由は、バトン練習の場面まで取っておくほうが、思い出す行動と結びつきます。
- 説明の段落がいつも悪いわけではありません。物語の中心でない人物を短く紹介するときや、語り手が人物を離れた所から語る文体では、修正前のような一段落のほうが話を前へ進められます。
不自然な行動を、理由・代償・設定・筋のどれかで直す
設定を作っても、書いているうちに「この人がこんなことをするだろうか」という行動が出てきます。原因は、たとえば次のどれかです。
| 原因 | 例 | 気づき方 |
|---|---|---|
| 筋の都合で動かしている | 次の展開のために、急に秘密を打ち明ける | その行動を取る理由を、人物の側から一行で書けない |
| 譲れないことに反しているのに、理由がない | ごまかさないはずの人物が、黙ってごまかす | 設計表の「譲れないこと」と並べると食い違う |
| 知らないはずのことを知って動く | 聞いていない約束を守ろうとする | いつ、誰から知ったかを場面で示せない |
| 気持ちの段階を飛ばしている | 長年の不仲を一言で許す | 許すまでに、何を見て、何を考えたかが書かれていない |
| 周りの人物が当然の反応をしない | 大きなミスを誰も問題にしない | 周りの人物の設計表を作ると、黙っている理由がない |
不自然さに気づいたら、直し方は四つあります。
| 直し方 | すること | 向いているとき |
|---|---|---|
| 理由を足す | その行動を選ばせる事情や圧力を、前の場面に置く | 行動そのものは物語に必要なとき |
| 代償を見せる | 設定に反した行動のあとで、人物が何を失い、どう引きずるかを書く | 反した行動が、人物の葛藤として意味を持つとき |
| 設定を直す | 譲れないことや恐れのほうを書き換える | 何度も同じ食い違いが出るとき。設定が物語に合っていない |
| 筋を直す | 人物が自然に選ぶ行動に合わせて、展開を変える | 行動を変えても、物語の目的が保てるとき |
作例:設定に反する行動を、理由づけし直す
夏帆の物語を、別の筋で考えたとします。夏帆は計測ミスを黙ったままメンバーに選ばれ、そのことを抱えて大会を迎える。この筋では、夏帆は譲れないこと(記録はごまかさない)に反する行動を取ります。そのまま書くと、次のようになります。
理由のない沈黙を、理由と代償のある沈黙にする
修正前
ボードの数字を見て、夏帆は計測ミスだと気づいた。でも、夏帆は黙っていた。どうしてもメンバーに選ばれたかったからだ。
修正後
ボードの数字を見て、夏帆は計測ミスだと気づいた。
口を開きかけたとき、記録係の一年生と目が合った。朝の練習で、ストップウォッチを押し忘れて、顧問にみんなの前で怒鳴られていた子だった。その子は記録用紙を胸に抱えて、もう一度怒鳴られるのを待つような顔をしていた。
中学の県大会のあと、スタンドの前を通って控え室へ戻った長い通路を、夏帆はいまでも覚えている。
「戸村、四人目な」と顧問が言った。
夏帆は「はい」と答えた。
その夜、日誌の今日の欄に、夏帆は12秒91と書き、その下に二本線を引いた。
変更の理由
- 修正前は、沈黙の理由が「選ばれたかった」という目的だけです。目的だけで譲れないことを破るなら、譲れないことはもともと設定として働いていなかったことになります。
- 修正後は、黙る理由を、設計表にあった過去(人前で失敗した経験)から作りました。夏帆は、記録をごまかしたかったのではなく、人前で責められる一年生を見たくなかった。譲れないことを破る理由が、別の設定から生まれています。
- 日誌に本当のタイムを書く行動は、代償を見せるためのものです。黙ったことを夏帆が引きずっていると分かるので、後の場面で打ち明けるときの準備になります。
- もしこの筋で、夏帆に黙る理由がどうしても作れないなら、譲れないことの欄を書き換えるか、夏帆が訂正する筋に戻すほうが、人物も物語も無理がありません。
修正後の夏帆は、設定に反する行動を取っていますが、読者はその理由を追えます。不自然さを直すとは、人物をいつも設定どおりに動かすことではなく、設定から外れる行動にも、その人物なりの理由と重さを持たせることです。
確認表人物の行動を点検する確認表
-
目的と欲求を、別々の一行で書ける
-
弱点・恐れが、目的に近づくほど強く働く位置にある
-
譲れないことが、少なくとも一度は目的とぶつかる場面がある
-
本文に出す過去は、「だから、いまこの行動を選ぶ」と一行で言える
-
同じ状況に別の人物を置いたとき、選ぶ行動か言い方が変わる
-
設定の項目ごとに、本文で見せる場面が一つはある
-
設定に反する行動には、前の場面に理由があるか、あとに代償がある
-
人物の行動を、性格診断の型や属性で説明していない
練習自作の人物を、同じ状況テストにかける(20分)
- 上の人物設計表を、自作の主人公について埋めます。埋まらない欄は空けたままでかまいません。
- 主人公の目的と譲れないことがぶつかる状況を一つ作ります(有利な間違い、楽な抜け道、頼まれごとなど)。
- その状況に、主人公と、ほかの人物一人(または仮の人物一人)を置き、それぞれが選ぶ行動と、言い方を一行ずつ書きます。
- 二人の行動が同じになったら、欲求・恐れ・譲れないことのどれかを書き換えて、もう一度試します。
- 主人公の行動の場面を、設定の説明を使わずに三〜八文で書きます。
設計表を使って一作を書き終え、人物の作り方を本でまとめて学びたくなったら、詰まっている工程に合わせて選ぶと読み進めやすくなります。たとえば角川文庫『小説講座 売れる作家の全技術』では、第三回「強いキャラクターの作り方」に「キャラクターには登場する理由がある」「主人公に変化のない物語は人を動かさない」といった項目が並んでいます。目的別の比べ方は小説の書き方を学ぶおすすめ本で扱っています。