小説の雨の描写|音・見え方・人物の動作で場面を変える
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この記事の答え
雨は「強い」「しとしと」と書く前に、何に当たり、どう聞こえ、何が見えなくなり、誰が何を濡らすかを決めると具体的になります。
- 雨の強さは、当たる物の音や、人の濡れ方、聞こえにくくなる声で伝える
- 同じ雨でも、室内にいる人、外を移動する人、屋根の下で待つ人では、残す描写が変わる。人物の目的に雨がどう関わるか(邪魔をする、近づける)から選ぶ
- 雨そのものに人物の気持ちを背負わせない。雨は悲しみの記号ではなく、人物の行動を変える条件として書く
目次
雨の場面を書くと、「しとしと」「ザーザー」と降り方を一言添えて、あとは人物が悲しんでいる。そんな形になりやすいものです。この記事では、架空の町の同じ土曜日の午後、同じ雨の中にいる三人を書き分けます。家の中で電話を受ける人、ポスターを抱えて路地を走る人、駅の屋根の下で友人を待つ人です。読み終えたら、自作の雨の場面で、どの音と見え方と動作を残すかを選べるようになります。
雨の強さは、当たる物と人の濡れ方で伝える
「強い雨が降っていた」と書いても、読者が思い浮かべる強さは人によって違います。強さを伝えるには、雨が何に当たって、どんな結果を起こしているかを書きます。
書く前に、場面の雨の強さを決めておくと、音や濡れ方の描写が食い違いにくくなります。目安になるのが、気象庁が予報や解説に使う用語と、雨の強さごとの様子をまとめた表です。
| 気象庁の用語 | 目安 | 気象庁の資料にある様子(抜粋) | 場面での手掛かりの例 |
|---|---|---|---|
| 霧雨 | 直径0.5mm未満の雨滴による弱い雨 | - | 傘をさすか迷う。上着の表面に細かい粒がつく |
| 小雨 | 数時間続いても雨量が1mmに達しないくらい | - | 地面がまだらに濡れる。乾いた所が残っている |
| やや強い雨 | 1時間に10mm以上20mm未満 | ザーザーと降る。地面からの跳ね返りで足元がぬれる。(木造の屋内で)雨の音で話し声が良く聞き取れない | 電話の声を聞き返す。靴の先が濡れる |
| 強い雨 | 1時間に20mm以上30mm未満 | どしゃ降り。傘をさしていてもぬれる | 傘をさしていたのに、膝から下の色が変わっている |
| 激しい雨 | 1時間に30mm以上50mm未満 | バケツをひっくり返したように降る | 屋根の下から出るのをためらう |
小説で雨量の数字を書く必要はありません。ただ、「やや強い雨なら、木造の家の中では話し声が聞き取りにくい」「強い雨なら、傘があっても濡れる」という目安を持っておくと、どしゃ降りの中で小声の会話がはっきり聞こえる、といった矛盾を避けられます。
強さを形容する書き方から、濡れ方で示す書き方へ
強さを形容した
外は、ものすごく強い雨だった。
人の濡れ方で示した
傘をさしていたのに、駅に着くまでに、ズボンは膝から下だけ色が変わっていた。
変更の理由
- 「ものすごく強い」は書き手の評価で、読者が確かめる材料がありません。修正後は、傘があっても防げない濡れ方という結果を見せています。
- 膝から下だけ、という範囲があることで、上からではなく跳ね返りと横からの雨で濡れたことまで伝わります。
- 場面の中心が雨ではなく会話や出来事にある場合は、「雨が強くなっていた」と一言で済ませてもかまいません。強さを詳しく書くのは、雨が人物の行動に影響するときです。
同じ雨でも、どこにいるかで音と見え方が変わる
雨の描写は、雨そのものより、雨が当たっている物を書くことで具体的になります。人物がどこにいるかによって、耳に入る音と目に入る物が変わります。
| 人物のいる場所 | 雨が当たる物 | 聞こえ方・見え方の手掛かり |
|---|---|---|
| 木造の家の中 | 屋根、窓のひさし、窓ガラス | 頭の上で鳴る音。窓の外の景色がにじむ |
| 鉄筋の建物の中 | 窓ガラス、ベランダの手すり | 音は小さい。窓を見て初めて降っていると気づく |
| 傘の下 | 傘の布、足元の地面 | 傘を打つ音が近い。前と足元しか見えない |
| 傘のない外 | 髪、顔、服 | 音より、冷たさと重さ。目に入る水で前が見えにくい |
| 屋根の下 | 屋根の端、雨どい、道路 | 屋根の端から落ちる水の幕。その向こうがかすむ |
作例:同じ雨を、室内・路地・駅の屋根の下で書く
舞台は架空の町。六月の土曜日、午後二時すぎに、それまで弱かった雨が急に強まります。強さは、上の表の「やや強い雨」くらいとします。同じ時刻に、三人の人物が別々の場所にいます。
- 理恵:木造の二階建ての家の二階にいる。遠くの大学に通う息子から、めずらしく電話がかかってくる。
- 真帆:高校二年生。文化祭のポスターを丸めて抱え、三時までに学校へ届けようとしている。傘は持っていない。
- 千里:駅の出口の屋根の下で、十年ぶりに会う大学時代の友人を待っている。
作例場面1 室内:理恵(木造の家の二階)
携帯電話の画面に〈拓海〉と出たのは、雨が急に強くなったのと同じころだった。
「もしもし? めずらしいね」
答えた声に、窓のひさしを打つ音がかぶさった。トタンの上で、雨粒が細かく跳ねている。理恵は窓を閉めた。音は少し遠のいたが、消えはしなかった。
「……でさ、来月のことなんだけど」
「え? 来月?」
ベランダの物干しで、白いシーツがもう半分ほど色を変えていた。理恵はそれを横目に見ながら、電話を耳に押しつけて階段を下りた。一階の廊下まで来ると、雨の音は屋根の上の遠いざわめきになった。
「ごめん、もう一回言って」
少し間があった。
「いや、いい。たいしたことじゃないから。また今度」
電話が切れてから、理恵はしばらく廊下に立っていた。頭の上で、雨の音がまた大きくなった。シーツのことを思い出したのは、そのあとだった。
作例場面2 路地:真帆(ポスターを抱えて学校へ)
路地に入ると、雨の音が急に近くなった。両側のブロック塀に挟まれて、音の逃げ場がない。
真帆は丸めたポスターをパーカーの内側に押しこみ、背中を丸めて走った。前髪から垂れた水が目に入り、そのたびに足元が見えなくなる。
古い家の雨どいがあふれて、塀の上から水がひと筋、どぼどぼと落ちていた。真帆はその下をくぐらずに、塀からいちばん遠い端へよけた。そこには水たまりがあった。一歩で、スニーカーの中まで冷たくなった。
かまわずに走った。濡れていいのは、靴と背中までだ。
胸に抱えた筒の端を、指でさわる。まだ乾いている。
作例場面3 駅の屋根の下:千里(十年ぶりの待ち合わせ)
駅の出口の屋根の端から、雨が切れ目なく落ちていた。その向こうのロータリーは、バスの形が分かるくらいにしか見えない。
千里は柱のそばに立ち、改札から出てくる人を一人ずつ見ていた。誰もが屋根の端で足を止め、傘を開いてから雨の中へ出ていく。止まった人の顔を確かめるには、ちょうどいい間だった。
たたんだ自分の傘の先から、水がつま先に落ちつづけている。
改札から、紺のワンピースの女が出てきた。屋根の端でも止まらずに、そのまま雨の中へ出ようとしている。手には何も持っていない。
「由香!」
女が振り向いた。十年前と同じように、目より先に口が笑った。
「傘、電車に置いてきちゃった」
千里は自分の傘を開いて、半分を差し出した。一本の傘に二人は入りきらず、由香の右肩と千里の左肩が、同じくらい濡れていった。
三つの場面で、何を選んだか
| 比べる点 | 場面1 理恵 | 場面2 真帆 | 場面3 千里 |
|---|---|---|---|
| 人物の目的 | 息子の話を聞く | ポスターを濡らさずに届ける | 友人を見つける |
| 雨の音 | ひさしを打つ音が電話の声にかぶさる。一階では遠いざわめき | 塀に挟まれて近く大きい。雨どいからあふれる水 | ほとんど書かない。見ることに集中している |
| 見える範囲 | 窓越しに、色を変えていくシーツ | 前髪の水で足元が見えなくなる | 屋根の端の雨の幕。向こうはかすみ、屋根の下の顔はよく見える |
| 濡れる物と動作 | シーツをあきらめ、電話を持って階段を下りる | ポスターを守り、靴と背中をあきらめる | 傘の水がつま先に落ちる。一本の傘を分け、二人の肩が濡れる |
| 雨が場面でしていること | 会話を邪魔し、聞きそびれさせる | 障害になり、何を守るかを見せる | 二人を一本の傘の下に入れる |
同じ強さの雨ですが、三つの場面で共通している描写はほとんどありません。どの場面も、雨が人物の目的に対して何をしているかから細部を選んでいるからです。理恵にとって雨は「音」、真帆にとっては「濡れるもの」、千里にとっては「見通しをさえぎる幕」と「近づくきっかけ」です。
場面3は、雨の場面が悲しい場面とは限らないことも示しています。十年ぶりの再会で、傘を忘れた友人を自分の傘に入れる。雨があるから、二人の肩が同じように濡れるという近さが書けます。
音と視界:聞こえなくなる物、見えなくなる物を書く
雨の音は、ほかの音を消すときに効く
雨音そのものを「ザーザー」と書くより効果があるのは、雨音で何が聞こえなくなるかを書くことです。場面1では、息子の声が聞き取れないことが、そのまま話の出来事(聞きそびれる)になっています。
| 雨音の使い方 | 例 | 場面での効果 |
|---|---|---|
| ほかの音を消す | 電話の声、足音、呼びかけが聞こえない | 聞きそびれ、すれ違い、気づかれない接近 |
| 音が変わる | 屋根の上から廊下へ移ると、ざわめきになる | 人物が移動したことが分かる |
| 音がやむ | 気づくと、ひさしを打つ音がしなくなっている | 時間の経過、緊張がほどける瞬間 |
| 音が強まる | 頭の上で、雨の音がまた大きくなる | 人物が立ち止まっている時間の長さ |
雨音で足音が消える使い方は、気づかないうちに何かが近づく怖さにもつながります。物音や気配で緊張を高める書き方は小説で恐怖・緊張を描写するには?で扱っています。
視界は、さえぎる物と、かえって見える物で書く
雨は見える範囲を狭めます。窓ガラスを伝う水、屋根の端から落ちる水の幕、目に入る水、傘の縁。何が視界をさえぎっているかを一つ決めると、その向こうがかすんでいることが自然に伝わります。
一方で、雨の中でかえってよく見える物もあります。屋根の下に集まった人の顔、濡れて色の濃くなった地面、路面に映る信号や店の明かりです。場面3で千里が友人に気づけたのも、全員が屋根の端で立ち止まるからでした。濡れた路面の反射のように、光と雨を組み合わせて見える範囲を作る書き方は、小説の光と暗さの描写で扱っています。
濡れる物と動作:何を守り、何をあきらめるか
雨の場面で人物を動かす確かな方法の一つは、何が濡れるかを決めることです。濡らしたくない物があると、人物はそれを守る動作をします。守りきれない物があると、何を先にあきらめるかで、人物にとっての大事な物の順番が見えます。
- 理恵は、濡れていくシーツより電話を選び、階段を下りた
- 真帆は、靴と背中は濡れてもいいと決め、ポスターだけを胸に抱えた
- 千里は、自分の肩が濡れるのを承知で、傘の半分を差し出した
動作は、雨に出る前・雨の中・雨から入ったあとのどこにでも置けます。
| 時点 | 動作の例 |
|---|---|
| 出る前 | 屋根の端で足を止める。鞄を胸の前に回す。傘を開くか迷う |
| 雨の中 | 傘を前に傾ける。水たまりをよける。濡れた前髪を払う |
| 入ったあと | 傘の水を切る。濡れた靴下のまま歩く。床に水の跡を残す |
濡れ方の食い違いを点検する
雨の場面は、濡れ方の食い違いが起きやすい場面です。書き終えたら、次の点を確かめます。
確認表濡れ方の整合性の確認表
-
人物は傘を持っているか。持っていないなら、どのくらいの時間、雨の中にいたか
-
その時間と雨の強さに対して、濡れ方が少なすぎないか(どしゃ降りの中を五分走って、髪が少し湿っただけ、など)
-
傘をさしていても濡れる所(足元、肩、鞄の外側)が書けているか、または食い違っていないか
-
屋根の下や室内に入ってから、すぐに乾いたことになっていないか
-
濡れた傘、靴、服を、次の場面でどこに置いたか(玄関、傘立て、椅子の背)
-
雨がやんだあとの地面や空気が、それまでの雨の強さと合っているか
雨を、人物の気持ちの代わりにしない
雨の場面でよく見かけるのが、雨に人物の気持ちを背負わせる書き方です。「悲しみの雨」「空が泣いている」のように書くと、人物の気持ちは伝わったように見えますが、読者が受け取るのは書き手の説明だけです。
雨に気持ちを重ねた案と、雨を行動の条件にした案
雨と気持ちを重ねた
梅雨の雨は、理恵の心を映すかのように、しとしとと悲しく降り続いていた。息子との電話が切れたあと、雨はさらに激しくなり、まるで空が泣いているようだった。
雨が行動に影響した結果を書いた
電話が切れてから、理恵はしばらく廊下に立っていた。頭の上で、雨の音がまた大きくなった。シーツのことを思い出したのは、そのあとだった。
変更の理由
- 修正前は、雨に「悲しく」「泣いている」という気持ちを持たせています。理恵が何を感じているかは、書き手が雨を通して言っているだけで、理恵の行動からは分かりません。
- 修正前には食い違いもあります。電話の声が聞こえないほどの雨を「しとしと」と書いています。気持ちに合わせて雨を描くと、場面の雨の強さを忘れやすくなります。
- 修正後は、雨の強さは変わらず、理恵が立ちつくしている時間の長さを雨音で測っています。シーツを忘れていたことで、電話のことで頭がいっぱいだったと読者が推測できます。
- 雨と気持ちを重ねる書き方が合う場合もあります。一人称の語り手が、自分でそう感じていると分かる形で書くとき(「雨まで自分を責めているように聞こえた」)や、詩に近い文体の作品です。その場合も、一つの場面で一度にとどめると、決まり文句に聞こえにくくなります。
雨は、悲しい場面にも、うれしい場面にも、何も起きない平凡な午後にも降ります。人物の目的に対して雨が何をしているかを決めると、気持ちを雨に代弁させなくても場面が動きます。
| 雨が人物の目的にすること | 場面の例 |
|---|---|
| 邪魔をする | 声が届かない。荷物が濡れる。予定の時刻に遅れる |
| 口実になる | 雨宿りを理由に、帰りたくない場所に長くいる |
| 隠す | 足音や泣き声が聞こえない。濡れた顔で涙が分からない |
| 近づける | 一本の傘、同じ軒下、閉じこめられた室内 |
| 区切る | 降りだし・やむ瞬間で、場面の始まりと終わりを示す |
雨の中で一人きりでいる場面のように、空間の広さや人の少なさで寂しさを伝えたいときは、小説で孤独・寂しさを描写するには?で空間と行動の選び方を扱っています。
同じ雨の言い回しを減らす
雨の場面では、「雨」という語や同じ擬音が、数行ごとに出てきてしまうことがあります。
「雨」の繰り返しを、雨が起こしたことに置き換える
雨の語が続いた
雨がザーザー降っていた。真帆は雨の中を走った。雨が前髪を濡らし、雨で前が見えない。古い家の雨どいから雨水があふれていた。ザーザーという雨の音が路地に響いていた。
一度示したら、雨が起こしたことを書いた
路地に入ると、雨の音が急に近くなった。両側のブロック塀に挟まれて、音の逃げ場がない。
真帆は丸めたポスターをパーカーの内側に押しこみ、背中を丸めて走った。前髪から垂れた水が目に入り、そのたびに足元が見えなくなる。
古い家の雨どいがあふれて、塀の上から水がひと筋、どぼどぼと落ちていた。
変更の理由
- 修正前は五文に「雨」の字が七回、「ザーザー」が二回出てきます。読者はもう雨が降っていると分かっているので、繰り返すたびに情報が増えません。
- 修正後は、最初の一文で雨を示したあと、「前髪から垂れた水」「あふれた雨どい」のように、雨が人物や物に起こしていることへ移っています。
- 擬音は「どぼどぼ」の一つだけにし、しかも雨全体ではなく、あふれた雨どいの水という一点に使いました。擬音は、何の音かが特定できる所に一つ置くと効きます。
雨という語を減らすときは、次の順で考えると選びやすくなります。
- 場面の最初に一度だけ、雨が降っていることと強さを示す。
- そのあとは、雨が当たっている物、濡れた物、人物の動作で書く。「雨」の語を言い換えるのではなく、雨の結果を書く。
- 雨を改めて書くのは、変化したときだけ。強まる、弱まる、やむ、人物が屋根の下から出る。
「小雨」「霧雨」「本降り」のような言葉は、言い換えのための候補ではなく、雨の変化を伝えるときに使います。「本降りになる」は、気象庁の用語の説明でも、弱い雨や断続的な雨から、降り方が強まるか連続的になることを指しています。場面の途中で雨の状態が変わったことを、一語で伝えられます。
文章全体で同じ言葉が近くに重なったときに、残す反復と削る重複を見分ける方法は、小説で同じ言葉を繰り返すときの直し方で扱っています。
自作の雨の場面を見直す手順
手順雨の場面を書き直す手順
- 場面の雨の強さを決めます。数字は書かなくてよいので、「傘があっても足元が濡れるくらい」のように、人への影響で一行メモしておきます。
- 視点人物がどこにいるか(室内・傘の下・傘なし・屋根の下)を確かめ、雨が何に当たっているかを一つか二つ選びます。
- 視点人物の目的を一行で書き、雨がそれを邪魔するのか、口実になるのか、近づけるのかを決めます。
- 雨音で聞こえなくなる物、視界をさえぎる物を一つずつ決めます。どちらかが場面の出来事に関わるなら、そちらを中心にします。
- 濡れて困る物と、濡れてもかまわない物を決め、人物の動作を一つ以上書きます。
- 「雨」の語と擬音を数え、最初の一回と、変化したときだけに減らします。
- 雨に人物の気持ちを言わせている文(悲しい雨、空が泣く)を探し、行動か、雨が起こした結果に置き換えます。
- 濡れ方の整合性の確認表で、時間と強さと濡れ方の食い違いを点検します。
練習同じ雨を、二人の目的で書き分ける(30分)
- 雨の強さを一つ決めます(例:傘があっても足元が濡れる雨)。
- 同じ時刻に、目的の違う二人を置きます。一人は室内、もう一人は外にします。
- それぞれ200〜300字で書きます。条件は二つ。「雨」という語は各一回まで。濡れて困る物を一つ決め、それを守るか、あきらめる動作を入れる。
- 書き終えたら、二つの文章で、雨の音・見える範囲・濡れる物がどう違ったかを、表に一行ずつ書き出します。
注意実在の日時と場所の雨を書くとき
実際にあった日の出来事として書く場合や、実在の町の特定の日の天気を書く場合は、その日に本当に雨が降っていたか、どのくらいの強さだったかを確かめておくと安心です。気象庁の過去の気象データ検索では、観測地点と年月日を選んで、日ごと・1時間ごとの値などを表示できます。架空の日付や架空の町なら、場面に必要な強さを自由に決めてかまいません。
雨の量がちょうどよいか、濡れ方が自然かは、自分で読むと見落としやすい点です。原稿があって疑問が残っている場合は、読んだ人に「どのくらいの強さの雨を思い浮かべたか」「人物がどのくらい濡れていると思ったか」を尋ねると、書き手の想定とのずれが分かります。講評を頼むことを考えているなら、小説の感想を依頼するには?で質問の作り方を確かめ、講評・添削の依頼メモに雨の場面のどこを見てほしいかを書き出しておくと、依頼先に伝えやすくなります。依頼先ごとに見てもらえる範囲は小説の添削はどこに頼む?で比べています。