小説の添削・講評の依頼文の書き方|必要事項とコピペできる例文
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この記事の答え
依頼文には、作品の形式と分量、原稿の段階、依頼の目的、聞きたい質問、変えてほしくない範囲、希望の納期を入れます。説明を長くするより、質問を具体的にするほうが、ほしい答えが返ってきます。
- 質問は三つまで、場面やページで場所を示して書く
- 住所・電話番号・外部の連絡先は書かず、購入前の相談で全文を貼らない
- 改稿後に再依頼するときは、前回の指摘・自分が変えた点・今回見てほしい点を並べる
目次
小説の講評や添削を頼むと決めたものの、依頼文に何を書けば原稿の課題が伝わるのか分からない人に向けた記事です。必要な項目を先に一覧にし、架空の短編で「伝わらない依頼文」を直す過程を見せたあと、初回の依頼、改稿後の再依頼、完成した長編の構成相談の三つの例文を示します。例文はコピーして、自分の作品の条件に書き換えて使えます。
依頼文に入れる項目を、必須と任意に分けて書き出す
依頼文を書き始める前に、伝える項目を書き出します。全部を長く書く必要はなく、必須の項目を一行ずつ埋めれば、依頼先が判断に迷う箇所を減らせます。
| 項目 | 必須か | 書き方のこつ |
|---|---|---|
| 作品の形式とジャンル | 必須 | 「現代ドラマの短編」「異世界ファンタジーの長編」のように、長さとジャンルを一緒に |
| 分量 | 必須 | 字数で書く。依頼先が枚数で数えるなら400字詰め換算枚数も |
| 原稿の段階 | 必須 | 初稿/一度直した/応募前の最終稿、のどれか |
| 依頼の目的 | 必須 | 講評を受けて何を決めたいか(例:応募前に構成の弱点を知りたい) |
| 聞きたい質問 | 必須 | 三つまで。場面・章・ページで場所を示す |
| 希望する納品物 | 必須 | 全体の講評か、本文への赤字か、両方か。誤字の確認は要るか |
| 希望の納期 | 必須 | 日付と、その理由(応募の締切など)があれば理由も |
| 変えてほしくない範囲 | 任意(あれば必須) | 語り口、方言、結末の展開など。理由を一言添える |
| 作品の意図・想定読者 | 任意(講評なら入れたい) | それぞれ一行で。あらすじとは別に書く |
| 応募予定・過去の指摘 | 任意 | 応募先の規定の枚数、以前の講評で言われたこと |
必須の項目がそろっていれば、依頼文は短くてかまいません。逆に、作品への思いや執筆の経緯を長く書いても、依頼先はそこから質問を読み取らなければならず、答えがぼやけます。
依頼先によっては、申込みのフォームや原稿の表紙に書く項目が決まっていることがあります。その場合は、依頼先の指定を優先し、指定にない項目(質問や変えてほしくない範囲)を備考欄やメッセージに足します。
伝わらない依頼文を、項目ごとに直す
架空の短編「夜明けの検品係」(約15,000字)で、最初に書いた依頼文と、項目を埋めて直した依頼文を比べます。物流倉庫の夜勤で働く三十代の男性が、同僚の大学生と組まされ、自分の仕事を少しだけ誇れるようになる話です。
短編の講評を頼む依頼文
修正前
はじめまして。小説を書いています。添削をお願いしたいです。
自分では結構いい作品だと思うのですが、どこが悪いのか分かりません。厳しめにお願いします。
なるべく早く返してもらえると助かります。
原稿を貼ります。(以下、本文の全文)
修正後
はじめまして。短編小説の講評をお願いしたく、ご相談します。
・作品:現代ドラマの短編「夜明けの検品係」
・分量:約15,000字(400字詰め換算で約38枚)
・段階:初稿を一度直したもの。一般文芸の短編公募(規定30〜50枚)に応募予定です
・目的:応募前に、中盤の構成と結末の弱点を知りたい
・聞きたいこと
1. 第3場面(倉庫の日常を描く約4,000字)が退屈でないか。削るならどこか
2. 同僚の大学生の台詞が、説明のためだけの台詞に聞こえないか
3. 結末で主人公が退職届を出さずに職場へ戻る流れが、唐突に感じないか
・希望:全体の講評を中心に。本文への赤字は、上の2の台詞について数か所あれば十分です。誤字の確認は不要です
・変えてほしくない点:主人公の一人称「自分」と、倉庫の作業用語(意味が伝わらない箇所の指摘は歓迎します)
・納期:応募締切が12月20日のため、12月5日ごろまでに受け取れると助かります
原稿はご了承いただけたら、取引の中でお送りします。対応できない点があれば教えてください。
変更の理由
- 「添削」と書いていたのを「講評」に変え、赤字がほしい範囲(台詞の数か所)を別に書きました。名前だけだと、依頼先は全文に赤字を入れるべきか判断できません。
- 「どこが悪いか分からない」を、作者が気になっている三つの箇所の質問に変えました。依頼先は作者の気になる点から読み始められます。
- 「厳しめに」は人によって受け取り方が違うので削り、代わりに目的(応募前に弱点を知りたい)を書きました。遠慮のない指摘がほしいことは、目的から伝わります。
- 「なるべく早く」を日付と理由に変えました。依頼先は受けられるかどうかをすぐ判断できます。
- 全文を最初のメッセージに貼るのをやめ、了承を得てから送る形にしました。理由は後の「依頼文から外す情報」で説明します。
直した依頼文は長くなったように見えますが、一行ごとに一つの項目しか書いていません。依頼先が読んで迷う箇所がないことのほうが、短さより大切です。
作品の意図と想定読者は、あらすじとは別に一行で書く
講評を頼むとき、作品の意図と想定読者を書いておくと、指摘が作品の狙いに沿ったものになります。書かないと、依頼先は自分の好みや一般的な基準で読むしかありません。
意図は、あらすじではなく「読み終えた人に何を感じてほしいか」を書きます。
| 書き方 | 例 | 依頼先に伝わること |
|---|---|---|
| あらすじ(意図ではない) | 夜勤の主人公が大学生と組み、最後に退職を思いとどまる話です | 出来事の順番 |
| 意図 | 大きな事件は起きないが、主人公が自分の仕事を少し誇れるようになる変化を、読者に静かに受け取ってほしい | 事件の少なさは狙いであり、変化が伝わるかを見てほしいこと |
| 想定読者 | 一般文芸の短編公募の選考者と、働く大人の読者 | ライトノベルの基準ではなく、一般文芸の基準で読んでほしいこと |
意図を書いておけば、「事件が起きなくて退屈」という指摘が来たときも、それが狙いの範囲内の弱さなのか、狙い自体が伝わっていないのかを区別しやすくなります。
困っている箇所は場所を示し、質問は三つまでに絞る
返ってくる講評の具体性は、質問の書き方に左右されます。場所を示し、何を判断してほしいかを書くのが基本です。
- 場所は、場面の番号、章の番号、ページ数、またはその箇所の最初の一文で示します。「中盤」「後半」だけでは、依頼先が探すことになります。
- 判断してほしいことは、「退屈でないか」「唐突でないか」「説明的でないか」のように、はい・いいえで答えられる形にしてから、「削るならどこか」と一歩先を足します。
- 質問が四つ以上あるときは、優先順位を付けます。「1は必ず、2と3は余裕があれば」と書けば、依頼先は時間の配分を決められます。
自分で何も試さずに質問すると、「どこが悪いか分からない」に戻ってしまいます。依頼の前に一度読み返し、止まった場所に印を付けておくと、質問が作りやすくなります。どの作業(感想・講評・添削・校正)を頼むべきかがまだ決まっていない場合は、先に小説の添削はどこに頼む?で整理してください。
変えてほしくない範囲は、理由と一緒に書く
講評や添削では、作者が意図して選んだ書き方まで「直すべき点」として指摘されることがあります。依頼先は作者の意図を知らないので、当然のことです。意図して選んでいる部分は、先に書いておきます。
作例変えてほしくない範囲の書き方
・主人公の一人称「自分」は、職場での距離の取り方を表すために選んでいるので、そのままにしたいです。
・倉庫の作業用語(「ピッキング」「検品ロット」など)は残したいです。ただ、意味が伝わらない箇所があれば指摘してください。
・結末で主人公が退職しない展開は変えない予定です。その展開が唐突に見えるかどうかを見てほしいです。
ポイントは、「触れないでほしい」と「変えないが意見はほしい」を分けることです。上の例では、一人称は変えない、作業用語は残すが伝わらない箇所は知りたい、結末は変えないが見え方は知りたい、と三段階に書き分けています。こうしておくと、依頼先は指摘の仕方を選べます。
依頼文から外す情報
依頼文や原稿には、講評に必要のない個人情報を入れないようにします。
- 住所・電話番号:依頼の判断には要りません。たとえば公募スクールの添削講座の受講規定では、原稿の表紙または冒頭に題名・氏名・換算枚数を書くよう求める一方で、「住所や電話番号などの個人情報は書かないでください」と明記しています。氏名も、依頼先が求める場合に、求められた場所にだけ書きます。
- 外部の連絡先:スキルマーケットでは、サービス外のメールやSNSでのやり取りが禁止されていることがあります。ココナラは、メールやLINE、Xなど外部ツールでのやり取りは禁止で、持ちかけられて応じることも対象になると案内しています。連絡はサービス内のメッセージで行います。
- 購入前の相談で全文を貼らない:最初の相談の段階では、まだ依頼先が引き受けるか決まっていません。相談の欄がほかの人から見えるかどうか分からない場合も含めて、作品の説明は依頼文の項目とあらすじ程度に留め、本文は取引が始まってから送ります。冒頭の雰囲気を見てもらいたいなら、数行の抜粋で十分です。
- 実在の人物が分かる情報:身近な人をモデルにしている場合、モデルが誰かを依頼文に書く必要はありません。
- 応募中の情報:すでに応募した作品の受付番号や、選考の途中経過などは書きません。
原稿そのものの保管や削除、依頼先が外部のAIに原稿を入力するかどうかなど、渡したあとの扱いを確かめたい場合は、依頼文とは別に質問として送ります。確認の文例は記事の最後に案内しています。
例文1:短編の講評を初めて頼む
修正後の依頼文を、自分の作品に合わせて書き換えられる形にしたものです。【 】の部分を埋め、不要な行は消して使います。
ひな形短編の講評を頼む依頼文(初回)
はじめまして。短編小説の【講評/添削】をお願いしたく、ご相談します。 ・作品:【ジャンル】の短編「【題名】」 ・分量:約【 】字(400字詰め換算で約【 】枚) ・段階:【初稿/一度直したもの/応募前の最終稿】 ・目的:【例:応募前に、構成と結末の弱点を知りたい】 ・作品の意図:【読み終えた人に感じてほしいことを一行で】 ・想定読者:【例:一般文芸の短編公募の選考者】 ・聞きたいこと 1. 【場所】が【退屈/唐突/説明的】でないか。【削る・足すならどこか】 2. 【場所】の【人物・台詞・描写】が【伝わるか】 3. 【結末】で【主人公の変化】が感じられるか ・希望する納品物:【全体の講評/本文への赤字(範囲: )/両方】。誤字の確認は【不要/必要】です ・変えてほしくない点:【項目】(理由:【一言】) ・納期:【日付】までに受け取れると助かります(【理由:応募締切が○日のため など】) 原稿は、お引き受けいただけたら取引の中でお送りします。 対応できない点や、追加の費用がかかる点があれば教えてください。
例文2:書き上げた長編の構成を相談する
長編の全文を最初から読んでもらうと、費用も日数も大きくなります。構成の相談なら、結末まで書いたあらすじと章ごとの要約、問題のある章の本文だけを渡す方法があります。架空の長編「塩の街の測量士」(約11万字)の例です。
ひな形完成した長編の構成を相談する依頼文
はじめまして。書き上げた長編小説の構成について、講評をお願いしたくご相談します。 ・作品:ファンタジーの長編「塩の街の測量士」 ・分量:本文約11万字(全20章)。今回お送りしたいのは次の三つです - あらすじ(結末まで、約1,500字) - 章ごとの一行要約(20行) - 第9章の本文(約6,000字) ・段階:初稿を書き終え、一度通して直したもの ・目的:新人賞への応募前に、中盤の構成を組み直すかどうか決めたい ・作品の意図:測量士の主人公が、地図に載らない人々の暮らしを知り、自分の仕事の意味を問い直す話です ・聞きたいこと 1. 第8章から第14章で、主人公の目的が見えにくくなっていないか(読者が退屈しそうな章があれば) 2. 二人の視点人物を章ごとに交互にしている構成が、中盤で効いているか、混乱の原因になっているか 3. 第9章(中盤の転換点のつもり)が、転換点として働いているか ・希望する納品物:構成についての講評。本文への赤字や誤字の確認は不要です ・変えてほしくない点:結末で主人公が測量の仕事を続ける展開 ・納期:急ぎません。3週間ほどで受け取れれば十分です あらすじと章の要約だけで判断が難しい場合は、追加で読む必要のある章を教えてください。その分の費用も含めてご相談できればと思います。
長編では、「全部読んでから考えてほしい」と頼むより、判断に必要な材料を作者のほうで選んで渡すほうが、費用と日数を抑えられます。依頼先が足りないと判断すれば、追加を求められます。あらすじは選考用と同じく、結末まで書きます。書き方は小説の応募用あらすじの書き方で確認できます。
改稿後に再依頼するときは、前回からの変更点を並べる
講評を受けて直したあと、同じ依頼先にもう一度見てもらう場合は、前回の指摘・自分が変えたこと・今回見てほしいことを並べます。依頼先は前回の講評を細かく覚えているとは限らないので、作者のほうで対応関係を示します。
指摘に従わなかった点も、理由と一緒に書きます。従わなかったことを隠すより、理由を書いたほうが、依頼先は作者の狙いに沿って読み直せます。
ひな形改稿後に再講評を頼む依頼文
以前「夜明けの検品係」の講評をいただいた者です。ご指摘をもとに改稿しましたので、再度の講評をお願いできればと思い、ご相談します。 ・分量:約13,500字(前回約15,000字から約1,500字削りました) ・前回のご指摘と、今回の対応 1. 第3場面の日常描写が繰り返しになっている → 二つあった夜勤の場面を一つにまとめ、検品ミスが見つかる出来事を一つ足しました 2. 大学生の台詞が説明的 → 仕事の手順を説明する台詞を三か所削り、主人公が手元を見せる動作に置き換えました 3. 作業用語が多く、意味が取りにくい箇所がある → 用語は残しました(職場の空気を出すため)。代わりに、初出の三語だけ、主人公が新人に教える場面で意味が分かるようにしました ・今回見てほしいこと 1. 第3場面をまとめたことで、主人公の気持ちの変化の段階が飛んでいないか 2. 足した検品ミスの出来事が、結末につながって見えるか ・希望する納品物と納期:前回と同じく全体の講評。【日付】ごろまでに受け取れると助かります 改稿後の原稿は、お引き受けいただけたら取引の中でお送りします。前回の講評の該当箇所も、必要であれば添付します。
再依頼で聞くことは、変えた箇所が狙いどおりに働いているかに絞ります。前回と同じ質問を繰り返すと、前回と同じ指摘が返ってくることもあります。前回の講評をどう取り入れるか、採らない指摘をどう決めるかは、もらった小説の感想を改稿に生かす方法で整理できます。
送る前に、受付の形式と依頼文を照らし合わせる
依頼先によって、依頼の受け付け方は違います。メッセージ欄に自由に書く形式、申込みフォームに項目ごとに入力する形式、原稿を郵送して表紙に必要事項を書く形式などがあります。たとえば公募スクールの添削講座の受講規定には、表紙または冒頭に題名・氏名・換算枚数を書くこと(表紙は枚数に数えない)、郵送ならダブルクリップで右肩を綴じること、万一に備えて控えを残すことが書かれています。
依頼文を書き終えたら、送る前に次の点を確かめます。
確認表依頼文を送る前の確認
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依頼先の受付形式(メッセージ・フォーム・郵送)と、指定の記入項目を確認した
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作品の形式、分量、原稿の段階、目的が一行ずつ書いてある
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質問は三つまでで、場所(場面・章・ページ)が示してある
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希望する納品物(講評・赤字・誤字の確認の要否)が書いてある
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納期を日付で書いた
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変えてほしくない範囲と、その理由を書いた
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住所・電話番号・外部の連絡先を書いていない
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購入前の相談に、本文の全文を貼っていない
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原稿の控え(送る版のファイル)を、日付入りの名前で保存した
項目を一つずつ入力して依頼文の形に整えたい場合は、講評・添削の依頼メモを使えます。料金の条件をまだ比べていない場合は、依頼文を送る前に小説の添削料金はどう比べる?で総額を確かめておくと、見積もりの返事を受けたときに判断しやすくなります。