小説の添削料金はどう比べる?文字数・作業範囲・追加費用の確認方法
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この記事の答え
表示価格ではなく、自分の原稿の字数で計算した総額を、同じ作業範囲の候補どうしで比べます。
- 料金の単位(一文字・一枚・一作品・時間)と最低料金を確かめ、自分の字数で基本料金を出す
- 質問の追加、急ぎ、返送料、仲介サイトの手数料など、払うことになる費用を足す
- 赤字の範囲や講評の有無が違う候補は、総額が安くても同じ物を買っていないので、単価で順位を付けない
目次
小説の添削や講評の料金を比べようとして、基本料金の数字しか見ていなかった人に向けた記事です。料金の単位をそろえ、追加費用を足して総額にする手順を、架空の三つの見積もりで計算してみせます。そのうえで、実在する講座とスキルマーケットの料金条件の読み方、料金表示がない依頼先への見積もりの頼み方まで扱います。この記事に出てくる「見積もりA・B・C」の金額はすべて計算説明のための架空の数字で、実在のサービスの料金ではありません。
比べる前に、原稿の条件と欲しい納品物を固定する
料金を比べる前提は、同じ原稿を、同じ範囲で頼んだときの金額を並べることです。候補ごとに頼む内容が違えば、金額の差は作業量の差であって、高い安いの差ではありません。
最初に、次の三つを書き出します。
手順比較の条件を決める
- 原稿の分量を数える。字数と、400字詰め原稿用紙の換算枚数の両方を出します。Wordでは、ステータスバーに文書の単語数が表示され、そこをクリックすると文字数・段落数・行数を確認できます。一部だけ数えたいときは、その範囲を選択します。字数を貼り付けて数えるなら文字数・段落数カウンターも使えます。
- 欲しい納品物を決める。全体の講評だけか、本文への赤字もほしいか。赤字は全文か、冒頭や指定した場面だけでよいか。誤字の確認は要るか。
- 質問と納期の条件を決める。納品後に質問したい回数と、受け取りたい日付を決めます。応募の締切があるなら、その日付から逆算します。
この三つが決まっていないと、候補ごとに「この依頼先なら全文の赤字が付く」「こちらは講評だけ」と比べる軸がずれていきます。どの作業を頼むべきか自体がまだ決まらない場合は、小説の添削はどこに頼む?で原稿の段階と困りごとから整理してください。
料金の単位の違いと、最低料金の効き方
添削・講評の料金は、次のような単位で示されます。単位が違うと、同じ原稿でも計算の結果が大きく変わります。
| 料金の単位 | 計算のしかた | 気をつける点 |
|---|---|---|
| 一文字あたり | 字数×単価 | 字数の数え方(空白・改行・ルビを含むか)。最低料金があるか |
| 一枚あたり・枚数の段階 | 換算枚数に応じた段階の料金 | 換算の方法。段階の境目(50枚と51枚など)で料金が跳ねる |
| 一作品あたり | 字数の上限までは定額 | 上限を超えたときの追加料金。上限が短いと長編は頼めない |
| 時間あたり | 面談やビデオ通話の時間で計算 | 事前に原稿を読む時間が含まれるか |
| 見積もり | 原稿の条件を伝えて個別に金額が出る | 見積もりに含まれる範囲を、書面で確認する |
最低料金は、短い原稿ほど効いてきます。一文字1円で最低料金5,000円の依頼先に3,000字の作品を出すと、計算上は3,000円でも、支払うのは5,000円です。短編や掌編を頼むときは、単価より最低料金のほうを先に見ます。
枚数の段階は、境目の近くで効いてきます。「26〜50枚」と「51〜100枚」で料金が分かれている場合、換算で51枚の原稿は、数行削って50枚に収めるだけで一段下の料金になることがあります。ただし、依頼先が換算枚数をどう数えるか(字数を400で割るのか、改行や字下げを含めた実際の枚数か)で結果が変わるので、境目に近いときは申込み前に確かめます。
追加費用を足して総額にする
基本料金に、実際に払うことになる費用を足したものが総額です。見落としやすい追加費用は次のとおりです。
確認表総額に入れる費用
-
字数・枚数の上限を超えた分の追加料金
-
納品後の質問の追加(無料の回数と、超えた場合の料金)
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急ぎの納品の割増
-
改稿後の再講評・再添削の料金(予定がある場合)
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誤字の確認など、別料金のオプション
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郵送での返却を選んだ場合の送料・手数料
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仲介サイトで購入する場合の、購入者側の手数料
-
消費税(表示価格が税込か税抜か)
-
振込手数料など、支払い方法によってかかる費用
すべてが毎回かかるわけではありません。自分が実際に使う項目だけを足します。たとえば質問をするつもりがなければ質問の追加料金は入れず、改稿後に同じ依頼先へ再依頼する予定があるなら、その料金も最初から見込んでおきます。
架空の三見積もりで、総額を計算する
ここからは、架空の短編(約15,000字、400字詰め換算で約38枚)を、架空の三つの依頼先に頼む場合で計算します。金額はすべて計算説明のための架空の数字です。税込で示しているものとします。
| 条件 | 見積もりA(文字単価) | 見積もりB(枚数の段階) | 見積もりC(作品単位) |
|---|---|---|---|
| 料金の単位 | 1文字1円、最低5,000円 | 〜10枚5,000円、11〜25枚8,000円、26〜50枚12,000円、51〜100枚18,000円、101〜300枚36,000円 | 3万字まで8,000円。超えた分は1万字ごとに4,000円 |
| 含まれる範囲 | 全文への赤字と全体の講評 | 冒頭10枚への赤字と全体の講評 | 全体の講評のみ(赤字なし) |
| 納品後の質問 | 1回まで無料。追加1回1,000円 | 受け付けない | 有料オプションで1回1,500円 |
| その他の費用 | 7日以内の急ぎは基本料金の3割増 | 郵送での返却を選ぶと800円 | 仲介サイト経由のため、支払いごとに購入者手数料5% |
講評を受け取ったあとに一回は質問したい、急ぎではない、返却は郵送でなくてよい、という条件で総額を出します。
| 計算 | 見積もりA | 見積もりB | 見積もりC |
|---|---|---|---|
| 基本料金 | 15,000字×1円=15,000円 | 38枚→26〜50枚の段階で12,000円 | 3万字以内なので8,000円 |
| 質問1回 | 無料の範囲内(0円) | できない | 1,500円 |
| 手数料など | なし | なし(郵送を選ばない) | (8,000+1,500)×5%=475円 |
| 総額 | 15,000円 | 12,000円 | 9,975円 |
総額だけを見ると、Cが一番安く、Aが一番高く見えます。しかし、三つは同じ物を買っていません。
- Aは全文、約38枚すべてに赤字が入ります。
- Bは赤字が冒頭の10枚だけで、残りの約28枚は講評の中で触れられるだけです。質問もできません。
- Cは赤字がなく、講評だけです。
「全文への赤字がほしい」なら、条件を満たすのはAだけです。比べる相手がいないので、Aの総額15,000円が予算に合うかどうかだけを判断します。「講評があれば赤字は要らない」なら、三つとも条件を満たし、そのうえで総額と質問の可否を比べます。この場合はCが安く、質問もできます。どの見積もりが得かは、何を必要としているかで入れ替わります。
単価に直すと、測り方で順位が変わる
総額を字数や枚数で割って単価に直すと、比べやすくなったように見えます。けれども、何で割るかで順位は変わります。
| 単価の測り方 | 見積もりA | 見積もりB | 見積もりC |
|---|---|---|---|
| 原稿1,000字あたり | 約1,000円 | 約800円 | 約665円 |
| 赤字が入る1枚あたり | 約395円(38枚) | 1,200円(10枚) | 赤字なし |
原稿全体で割るとCが安く、赤字の枚数で割るとAが安くなります。単価は、同じ範囲の作業どうしでしか比べられない数字です。
長さが変わると、安い順も入れ替わる
同じ三つの見積もりに、長さの違う原稿を当てはめると、基本料金の順番が変わります(質問や手数料を除いた基本料金。Cのみ5%の手数料を含めています)。
| 原稿の長さ | 見積もりA | 見積もりB | 見積もりC |
|---|---|---|---|
| 掌編 3,000字(約8枚) | 5,000円(最低料金) | 5,000円 | 8,400円 |
| 短編 15,000字(約38枚) | 15,000円 | 12,000円 | 8,400円 |
| 長編 11万字(約275枚) | 110,000円 | 36,000円 | 42,000円 |
掌編ではAとBが同額で安く、短編ではCが安く、長編ではBが安くなります。短編を頼んだときの単価が安かった依頼先が、長編でも安いとは限りません。短編と長編は、単価だけで比べず、その長さでの総額を計算し直します。長編で見積もりBの範囲を見ると、赤字は約275枚のうち冒頭の10枚だけである点も見落とせません。
実在する依頼先の料金条件を読む
架空の計算で手順をつかんだら、実在の依頼先の料金条件に当てはめます。ここでは料金の単位が違う二つの例を挙げます。料金や条件は変わることがあるので、申し込む前に必ず提供者のページで確かめてください。
枚数の段階で料金が決まる講座の例
公募スクール(公募ガイド社)の「公募に勝つ!添削講座」は、講座ページに作品の枚数(400字詰換算)ごとの料金表を載せています。段階は「3枚以内」から「401〜500枚」までの11段階で、たとえば「26〜50枚」は15,400円、「201〜300枚」は37,400円と掲載されています。
この講座の料金を読むときに、計算に関わる条件は次のとおりです。
| 確認した条件 | 講座ページの記載 | 計算への影響 |
|---|---|---|
| 料金に含まれる範囲 | 冒頭20ページ(400字詰換算)に赤字添削、作品全体に講評 | 赤字は冒頭20枚まで。長い作品でも赤字の量は増えない |
| 追加費用 | 講評の返送を郵送で希望する場合、枚数に関係なく別途1,000円 | 郵送を選ぶなら総額に足す |
| 質問 | 講評返却後の質問は受け付けない | 質問料はかからないが、質問もできない |
| 納期 | 基本3〜4週間。枚数が多い場合や連休・年末年始は延びる | 応募締切から逆算して申し込む |
| 税の表示 | 料金表に税込・税抜の記載は見当たらない | 申込み前に問い合わせて確認 |
約38枚の短編なら「26〜50枚」の段階、約275枚の長編なら「201〜300枚」の段階に当たります。ただし、講座の換算方法が単純な字数÷400なのかはページで確認できなかったため、段階の境目に近い原稿は申込み前に問い合わせます。長編で頼むと、料金は上の段階になりますが、赤字が入るのは冒頭20枚であることは変わりません。全文への赤字を求める人と、冒頭の文章と全体の講評が分かればよい人とでは、この料金の受け止め方が違ってきます。
出品ごとに料金が違うスキルマーケットの例
ココナラのようなスキルマーケットでは、料金は出品者が出品ごとに決めます。「文章の書き方・添削相談」のカテゴリページを見ると、作品単位で「○○円」と示す出品のほか、「○○円/60分」のように時間で示す出品や、「見積り必須」と表示された出品があり、同じカテゴリの中でも単位がそろっていません。個々の出品の金額は入れ替わるので、ここでは相場を示しません。
スキルマーケットで総額を出すときは、出品ページの基本料金に加えて、次の点を確かめます。
- 有料オプション:字数の追加、質問の追加、急ぎなどが、オプションとして別料金になっていることがあります。
- 購入者の手数料:ココナラでは2021年4月に、購入者が支払う「サービス手数料」が導入されました。2021年の導入時のお知らせでは、購入金額の5.5%(税込)が支払いのたびにかかり、取引がキャンセルになった場合は手数料も全額返金されると説明されています。料率や対象は変わることがあるので、総額には、購入手続きの画面に表示される支払額を使います。
- 見積もり:見積もり相談は無料です。料金表示が「見積り必須」の出品は、下の見積もり依頼の文例を使って条件を伝えます。
料金表示がないときは、見積もりの材料をそろえて頼む
料金表がない依頼先や、「見積り必須」の出品では、こちらから条件を伝えて金額を出してもらいます。条件があいまいだと、見積もりの金額もあいまいになり、あとから追加費用が出ることもあります。
ひな形見積もりを頼む文面
はじめまして。小説の講評について、お見積もりをお願いしたくご連絡します。 【原稿の条件】 ・作品:【ジャンル】の【短編/長編】 ・分量:約【 】字(400字詰め換算で約【 】枚) ・形式:【Word/PDF/テキスト】でお送りできます 【お願いしたい作業】 ・全体の講評:【必要/不要】 ・本文への赤字:【不要/冒頭○枚/全文】 ・誤字の確認:【不要/必要】 ・納品後の質問:【○回程度】したいと考えています ・希望納期:【日付】まで(【急ぎではない/締切があるため】) 【お見積もりで教えていただきたいこと】 ・上の条件での総額(税込) ・総額に含まれない費用が出る場合、その条件と金額(字数超過、質問の追加、急ぎ など) ・お支払いの時期と方法 ・途中でキャンセルした場合の扱い 原稿は、お引き受けいただけることになってからお送りします。
見積もりが届いたら、上で使った比較表の列に書き写します。見積もりに書かれていない費用は、払わなくてよいとは限りません。総額に含まれないものが何かを、文面で確かめておきます。
依頼文全体の書き方(作品の意図や、変えてほしくない範囲の伝え方)は小説の添削・講評の依頼文の書き方で扱っています。
計算した総額を、判断の材料として使う
総額が出たら、次の順に判断します。
手順総額から依頼先を決める
- 欲しい納品物を満たさない候補を外す(全文の赤字が必要なのに講評だけ、など)。
- 納期が締切に間に合わない候補を外す。
- 残った候補の総額を比べ、予算に収まるものを選ぶ。
- 総額の差が小さいときは、納品後に質問できるか、講評や添削の見本が公開されているかで決める。
- 迷ったら、短い作品や冒頭だけで一度頼み、納品物の形を確かめてから長い作品を頼む。
料金は高ければよい、安ければよいというものではありません。高い依頼先を選んでも、必要のない作業が含まれていればその分は使われませんし、安い依頼先でも、必要な範囲が含まれていれば十分です。誤字の確認だけが必要な場合は、添削より校正を頼むほうが範囲に合っています。校正の依頼先と料金条件は小説の校正サービスの選び方で扱っています。
予算の都合でどれにも頼めない場合は、感想交換や、自分での推敲を先に進める方法もあります。依頼しなくても直せる範囲は、小説の添削はどこに頼む?の「依頼しなくても自分で直せる場合」で確かめられます。