本文へ移動
俳句

俳句の字余り・字足らず|直す場合と残す場合を作例で比べる

PRこの記事には広告リンクを含みます。広告と紹介の基準

この記事の答え

字余り・字足らずは、まず読みをひらがなに直して句ごとに音を数え、どの句が何音ずれているかを確かめます。そのうえで「直す案」と「残す案」を両方作り、声に出して比べて選びます。

  • 中七の字余りや、助詞を削って無理に合わせた句は、省く・置き換える・語順を変えることで、意味を保ったまま定型に戻せることがある
  • 言い換えると季語や場面が消えてしまう語は、字余りのまま残す選択もある
  • 数えるのは文字数ではなく音数。「冬の夜(ふゆのよ)」は四音、「シャッター」も四音
目次

「五・七・五に合わせようとして助詞を削ったら、意味の通らない句になった」「一音だけ余るけれど、どの言葉も削りたくない」。この記事では、字余り・字足らずの句を、読みをかなに直して数えるところから始め、三つの作例で「直す案」と「残す案」を並べて比べます。読み終えたら、自分の句が何音ずれているかを確かめ、直すか残すかを声に出して選べるようになります。

字余り・字足らずは「定型との差」を表す言葉

字余りは、デジタル大辞泉の説明では「和歌・俳句などで、音数が定まった音よりも多いこと」です。反対に、定まった音より少ないことを字足らずといいます。俳句なら、上五(かみご)・中七(なかしち)・下五(しもご)の五・七・五が基準です。

大事なのは、字余り・字足らずが「誤り」の名前ではなく、基準からどれだけずれているかを表す言葉だということです。ずれには、気づかずに生まれたものと、作者が選んで残したものがあります。直すかどうかは、ずれの場所と、直したときに何が失われるかで決めます。

注意自由律の句とは分けて考える

五・七・五の定型をはじめから用いない「自由律」の句は、定型の一部が余っている句とは考え方が違います。この記事は、五・七・五で作ろうとして音がずれた句を扱います。定型・無季・自由律の違いは季語のない俳句とは?無季俳句と自由律の違いで整理しています。

読みをひらがなに直して、句ごとに数える

文字数ではなく「音」で数える

俳句の音数は、文字の数ではなく、声に出したときの拍で数えます。数え方の約束は次の四つです。

  • 小さい「ゃ・ゅ・ょ」などは、前の字と合わせて一音(「きょ」で一音)
  • 小さい「っ」(促音)は一音
  • 「ん」(撥音)は一音
  • 「ー」(長音)は一音

漢字やカタカナのまま数えると、見た目に引きずられます。次の表は、文字数と音数が食い違う例です。

表記 よみ 文字数 音数
東京 と・う・きょ・う 2 4
シャッター しゃ・っ・た・ー 5 4
十一月 じゅ・う・い・ち・が・つ 3 6
運動会 う・ん・ど・う・か・い 3 6
冬の夜 ふ・ゆ・の・よ 3 4

「シャッター」は五文字なのに四音、「十一月」は三文字なのに六音です。目で見て「五文字くらい」と感じた句ほど、かなに直すとずれが見つかります。

読みが二通りある語は、先に読みを決める

同じ表記でも、読み方で音数が変わる語があります。数える前に、自分がどう読ませたいかを決めておきます。

表記 読み方の例 音数
夜 よ/よる 1/2
背 せ/せな 1/2
明日 あす/あした 2/3
紅葉 もみじ/こうよう 3/4
一日 ついたち/いちにち/ひとひ 4/4/3

季語の読みは、歳時記や辞書の見出しの読みを確かめます。たとえば「冬の夜」は、精選版日本国語大辞典では「ふゆのよ」と読む冬の季語です。「ふゆのよる」と読めば五音になりますが、読者が「ふゆのよ」と読めば四音です。読み方に頼って音数を合わせると、人によって字足らずに聞こえることを覚えておきます。

手順音数を確かめる手順

  1. 句を上五・中七・下五の三つに分けて、行を変えて書きます。
  2. それぞれをひらがなで書き直します。読みが二通りある語は、ここで一つに決めます。
  3. 一音ずつ区切って数えます(「も・う・ふ・が」のように点を打つと数え違いが減ります)。
  4. 「上五6音」「中七8音」のように、どの句が基準から何音ずれているかを書き留めます。

ずれている場所と、詰まって聞こえる場所を分ける

数えてずれが分かったら、次はどこでずれているかを見ます。同じ一音の字余りでも、句のどこにあるかで聞こえ方が変わるからです。次の表は、声に出したときの聞こえ方の目安です。規則ではないので、最後は自分の耳で確かめます。

ずれの場所 考えられる原因 声に出したときの感じ
上五の字余り 季語や名前など、短くできない語で始めた 句の頭が少し重い。すぐ中七に入るので、調子を立て直しやすい
中七の字余り(「中八」) 「の」「が」「を」などの助詞が重なった 句の中心がたるみやすい。「中八」と呼んで気にする人もいる
下五の字余り 結びに説明や動詞を足した 終わりが間延びし、締まりにくい。逆に、引き延ばした余韻として効く場合もある
字足らず 読みの数え違い、助詞の削りすぎ 拍が一つ抜けて、つまずいたように聞こえやすい

字足らずの例:「冬の夜」は四音

「冬の朝」「冬の空」と同じ感覚で「冬の夜」を上五に置くと、四音になります。

作例・俳句字足らずの初稿:やかんの蓋

冬の夜やかんの蓋の鳴りやまず
句よみ音数
冬の夜ふゆのよ4音字足らず(基準5音)
やかんの蓋のやかんのふたの7音
鳴りやまずなりやまず5音

合計16音(4・7・5)/基準は5・7・5

※上五が四音。「冬の夜」(ふゆのよ)は冬の季語。

足りない一音を何で補うかで、句の切れ方が変わります。

一音を「の」で補うか、「や」で補うか

「の」で補った案

作例・俳句案:冬の夜の

冬の夜のやかんの蓋の鳴りやまず
句よみ音数
冬の夜のふゆのよの5音
やかんの蓋のやかんのふたの7音
鳴りやまずなりやまず5音

合計17音(5・7・5)/俳句の基準どおり

「や」で補った案

作例・俳句案:冬の夜や

冬の夜ややかんの蓋の鳴りやまず
句よみ音数
冬の夜やふゆのよや5音
やかんの蓋のやかんのふたの7音
鳴りやまずなりやまず5音

合計17音(5・7・5)/俳句の基準どおり

変更の理由

  • どちらも五・七・五ですが、「の」で補った案は「夜の・やかんの・蓋の」と「の」が三つ続き、一続きの説明のように平たく聞こえます。音数は合っていても、調べが詰まる例です。
  • 「や」で補った案は、上五のあとで切れが生まれます。冬の夜の静けさを置いてから、やかんの音へ移る二段の組み立てになります。
  • 「冬の夜の」の流れるような調子を生かしたいなら、中七の「蓋の」を別の形に変える手もあります。切れ字の働きは俳句の切れ字「や・かな・けり」の使い方で比べています。

字足らずをあえて残す句もあります。ただ、一拍欠けた感じは、読む人には数え違いと区別がつきにくいものです。残すなら、欠けた拍が句の内容(途切れる音、言いよどみ、急な終わりなど)と結びついているかを確かめ、結びついていなければ補う案を選びます。

数が合っていても詰まって聞こえる場合

上の例のように、五・七・五どおりでも詰まって聞こえる句があります。原因は「の」の連続、漢語の連続、小さい「っ」や「ゃ」の多さなどです。反対に、字余りでも数ほど重く聞こえない句もあります。

古い和歌の字余りについては、本居宣長が、古い歌の字余りの句には単独の母音(あ・い・う・お)の音節が含まれると指摘したことが知られています(百科事典マイペディア「字余り」による)。母音は前の音とつながって発音されやすく、数えた音数ほど長く感じないためと考えられています。これは古歌について述べたもので、現代の俳句の規則ではありません。ただ、「運動会(う・ん・ど・う・か・い)」のように母音を含む語の字余りが、案外なめらかに読める理由を考える手がかりになります。

音数を数える作業と、声に出して調べを聞く作業は、別々に行います。数字だけで判断せず、数字だけを無視もしない、という順番です。

作例1:中七が八音になった句を、四つの案で比べる

ここからは、ずれ方の違う三つの初稿を直していきます。一つ目は、助詞が重なって中七が八音になった句です。

作者のメモ:「深夜のコインランドリー。乾燥機のスイッチを入れると、毛布がゆっくり回りだした。」

作例・俳句作例1 初稿:乾燥機

乾燥機毛布がゆっくり回りだす
句よみ音数
乾燥機かんそうき5音
毛布がゆっくりもうふがゆっくり8音字余り(基準7音)
回りだすまわりだす5音

合計18音(5・8・5)/基準は5・7・5

※中七が八音(中八)。「毛布」は冬の季語。上五のあとで切れる。

中七の「もうふがゆっくり」は、小さい「っ」も一音なので八音です。一音を減らす方法を三つ試し、残す案と並べます。

案 句 音数 変えたこと 変わったこと
A 省く 乾燥機 毛布ゆっくり 回りだす 5・7・5 主語の「が」を削った ほぼ変わらない。話し言葉でも「が」は落ちやすい
B 置き換える 乾燥機 毛布がゆるく 回りだす 5・7・5 「ゆっくり」を「ゆるく」に 速さより、力の抜けた回り方に寄る
C 語順を変える ゆっくりと 毛布の回る 乾燥機 5・7・5 語順を入れ替え、「が」を「の」に 「回りだす」瞬間が消え、回り続ける景になる
D 残す 乾燥機 毛布がゆっくり 回りだす 5・8・5 変えない 話し言葉に近いが、中七が少しゆるむ

作例・俳句作例1 案A:「が」を省く

乾燥機毛布ゆっくり回りだす
句よみ音数
乾燥機かんそうき5音
毛布ゆっくりもうふゆっくり7音
回りだすまわりだす5音

合計17音(5・7・5)/俳句の基準どおり

作例・俳句作例1 案C:語順を変える

ゆっくりと毛布の回る乾燥機
句よみ音数
ゆっくりとゆっくりと5音
毛布の回るもうふのまわる7音
乾燥機かんそうき5音

合計17音(5・7・5)/俳句の基準どおり

この句で作者が書きたかったのは、スイッチを入れて毛布が動きだす瞬間です。それなら、意味をほとんど変えずに一音減らせるA案が向いています。主語を示す「が」は、日常の会話でもよく省かれるので、削っても日本語として不自然になりません。

C案は五・七・五として整っていますが、「回りだす」が「回る」に変わり、景が「回り続けている乾燥機」になりました。夜のコインランドリーで、ぼんやり回転を眺めている時間を詠みたいなら、むしろC案のほうが合います。どの案がよいかは、残したい景で決まります。

D案(そのまま残す)は誤りではありません。ただ、A案で失うものがほとんどないので、この句では直す理由のほうが大きいと判断しました。

作例2:助詞を削って合わせた句を、助詞を戻して組み直す

二つ目は、字余りを避けようとして助詞を削り、音数は合ったのに、日本語として崩れてしまった句です。

作者のメモ:「夕立がやんだあと、駐輪場で、濡れた自転車のサドルを手のひらで拭いた。」

最初に浮かんだ形は「夕立の あとの自転車の サドル拭く」で、中七が八音でした。そこで「の」を一つ削って、次の初稿にしました。

作例・俳句作例2 初稿:サドル

夕立のあと自転車のサドル拭く
句よみ音数
夕立のゆうだちの5音
あと自転車のあとじてんしゃの7音
サドル拭くさどるふく5音

合計17音(5・7・5)/俳句の基準どおり

※音数は五・七・五。ただし「あと自転車」は助詞が抜けて意味がつながらない。「夕立」は夏の季語。

音数は基準どおりです。けれど「あと自転車」は、声に出すと何の「あと」なのかが一瞬つながらず、言葉の関係が切れて聞こえます。音数が合ったことと、句が直ったことは別です。ここでは、削った「の」を戻したうえで、別の方法で音数を整えます。

作例・俳句作例2 案A:助詞を戻して字余りで残す

夕立のあとの自転車のサドル拭く
句よみ音数
夕立のゆうだちの5音
あとの自転車のあとのじてんしゃの8音字余り(基準7音)
サドル拭くさどるふく5音

合計18音(5・8・5)/基準は5・7・5

作例・俳句作例2 案B:語を省いて助詞を戻す

夕立のあとのサドルを手で拭う
句よみ音数
夕立のゆうだちの5音
あとのサドルをあとのさどるを7音
手で拭うてでぬぐう5音

合計17音(5・7・5)/俳句の基準どおり

作例・俳句作例2 案C:切れ字を使って組み直す

夕立や濡れたサドルを手で拭う
句よみ音数
夕立やゆうだちや5音
濡れたサドルをぬれたさどるを7音
手で拭うてでぬぐう5音

合計17音(5・7・5)/俳句の基準どおり

案 何をしたか 得たもの 失ったもの
A 「の」を戻し、中八を受け入れた 意味が正しく通る 「の」が三つ続き、中七がたるむ
B 「自転車」を省き、「拭く」を「拭う」に置き換えた 助詞がそろい、五・七・五に戻る 「自転車」の語。ただしサドルで自転車と分かる
C 「や」で切り、「あと」を「濡れた」に置き換えた 夕立と手の動きが二つの場面として立つ 「やんだあと」という時間の順序が、少しぼやける

B案とC案は、どちらも助詞を削らずに定型へ戻しています。使った方法は、なくても伝わる語を省く(サドルがあれば自転車は分かる)ことと、同じ意味で音数の違う語に置き換える(ふく→ぬぐう、あと→濡れた)ことです。

どちらを選ぶかは、句の主役によります。雨上がりの時間の流れを残したいならB案、夕立の激しさと、濡れたサドルの手触りを対比させたいならC案です。A案も、話し言葉の調子をそのまま残したい作者なら選んでかまいません。ただ、A案を選ぶときは「助詞を戻したら字余りになったが、それでもこの言い方を残す」と、理由を言えるようにしておきます。

要点削ってよい助詞、削ると崩れる助詞

  • 主語を示す「が」や、上五の終わりの「の」は、削っても意味が通りやすい(作例1の案A)。上五の後の「の」を削ると、名詞で切れが生まれることもある
  • 名詞と名詞をつなぐ「の」を削ると、「あと自転車」のように語の関係が分からなくなりやすい。目的語の「を」は、「人待つ」のように動詞のすぐ前なら省いても通じることが多いが、間に別の語が入ると関係が見えにくくなる
  • 迷ったら、削った形を普通の文として声に出し、人に言って通じるかを確かめる

作例3:上五の字余りを、あえて残す

三つ目は、直すより残すほうがよいと判断した例です。

作者のメモ:「運動会が終わった夕方、先生がひとりでゴールテープを巻き戻していた。」

作例・俳句作例3 初稿:ゴールテープ

運動会ゴールテープを巻き戻す
句よみ音数
運動会うんどうかい6音字余り(基準5音)
ゴールテープをごーるてーぷを7音
巻き戻すまきもどす5音

合計18音(6・7・5)/基準は5・7・5

※上五が六音。「運動会」で切れる。

「運動会」は六音で、同じ意味の五音の言い方がありません。定型に合わせるために試した案を並べます。

作例・俳句作例3 案A:季語を「秋晴れ」に替える

秋晴れやゴールテープを巻き戻す
句よみ音数
秋晴れやあきばれや5音
ゴールテープをごーるてーぷを7音
巻き戻すまきもどす5音

合計17音(5・7・5)/俳句の基準どおり

作例・俳句作例3 案B:「運動会」を下五へ移す

巻き戻すゴールテープの運動会
句よみ音数
巻き戻すまきもどす5音
ゴールテープのごーるてーぷの7音
運動会うんどうかい6音字余り(基準5音)

合計18音(5・7・6)/基準は5・7・5

案 音数 声に出した印象 この句での判断
初稿(上六) 6・7・5 頭が一拍重いが、一語として一息に読める 残す
A 季語を替える 5・7・5 整っているが、何のゴールテープか分からない 景が消える
B 下五へ移す 5・7・6 結びに字余りが移り、終わりが重く、行事名の見出しのように終わる 採らない

案Aは定型に収まりますが、「運動会」が消えたことで、ゴールテープが市民マラソンのものか何なのか分からなくなりました。この句の芯は、にぎやかな一日が終わったあとの静けさです。それを支えているのは「運動会」という語そのものなので、言い換えると句が成り立ちません。

案Bは字余りの場所を下五へ移しただけで、余りは消えていません。結びが「運動会」という行事名で終わるため、景より題名が印象に残ります。

この句では、字余りを上五の一か所にとどめ、中七・下五を定型どおりにすることで、頭の一拍の重さを受け止めました。上五のあとで切れるので、「運動会」と言い切ってから、ゴールテープの景へ移る間も生まれます。

季語の「運動会」は、デジタル大辞泉では秋の季語とされています。精選版日本国語大辞典は、春の季語とされてきた経緯と、秋とする歳時記もあることを記しています。春に行う運動会を詠むときは、使う歳時記での扱いを確かめてください。季語の調べ方は俳句の季語の選び方で扱っています。

定型に合わせると、景や季語が消えるとき

三つの作例で見たように、音数を合わせる作業は、いつも何かを削るか替える作業です。削った語が句の芯を支えていた場合、定型に戻ったぶんだけ句が弱くなります。

削った・替えた語 失われるもの 判断の目安
「新米を研ぐ」の「新」を削って「米を研ぐ」 季語(新米は秋の季語、米だけでは季節が出ない) 削らない。ほかの句で音を調整する
「運動会」を「秋晴れ」に替える 何の場面かという情報 字余りのまま残す
「自転車のサドル」の「自転車」を省く ほぼなし(サドルで分かる) 省いてよい
「ゆっくり」を「ゆるく」に替える 速さの感じが少し変わる 作者が残したい動きで決める

判断に迷ったら、次の二つを自分に聞きます。

  1. その語を削った句を初めて読む人は、作者と同じ景を思い浮かべられるか。
  2. その語は、句の中でほかの語に言い換えられない「名前」か。

二つ目の答えが「はい」なら、その語は残し、ほかの句で音を調整するか、字余りのまま残すことを考えます。反対に、説明のために足した語(「〜して」「〜ので」「とても」など)は、削っても景はほとんど減りません。

注意字余りを残すときの目安

  • 字余りは一句に一か所までにとどめると、どこに重みを置いたかが伝わりやすくなります。上五と下五が両方余ると、定型の句として聞こえにくくなります。
  • 残すと決めた字余りは、声に出して二、三回読み、つまずかずに読めるかを確かめます。
  • 字余りをどう受け止めるかは、選者や句会の仲間によっても違います。残した理由を自分で説明できれば、指摘を受けたときに、直すか残すかを改めて考える足場になります。

自分の句で、直す案と残す案を作る

最後に、自分の句で同じ比較をしてみます。案を一つだけ作ると、それが良いのか悪いのか判断できません。少なくとも「直す案」二つと「残す案」一つを並べるのがこつです。

練習一句で三つの案を作る(15分)

  1. 字余り・字足らずが気になる自作の句を一つ選び、上五・中七・下五に分けてひらがなで書きます。
  2. 一音ずつ数え、どの句が何音ずれているかを書き留めます。
  3. 「省く」「置き換える」「語順を変える」のうち二つを使って、五・七・五の案を二つ作ります。
  4. 初稿のまま残す案を加え、三つを声に出して読み比べます。
  5. それぞれの案で「失ったもの」を一行ずつ書き、失いたくないものが残っている案を選びます。

確認表直すか残すかを決める前の確認表

  • 読みを一つに決め、ひらがなで数え直したか(文字数で数えていないか)
  • ずれているのは上五・中七・下五のどこか、何音か
  • 音数を合わせるために、名詞と名詞をつなぐ助詞を削っていないか
  • 削った・替えた語に、季語や場面の名前が含まれていないか
  • 定型に戻した案と残す案を、両方声に出して読み比べたか
  • 字余りを残すなら、その理由を一言で言えるか

音数が整ったあとに、季語の働きや説明っぽさなど、音数以外の点が気になってきたら、俳句の推敲のやり方で、季語・具体性・助詞の順に見直す手順を扱っています。