短歌の句切れとは?意味の区切りを作例で確かめる
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この記事の答え
句切れは、一首の途中で文が意味・文法の上でいったん終わるところです。五・七・五・七・七の句の境目(音の区切り)とは別に考えます。
- 文が終わる目印:言い切りの形、「か」「よ」などの終助詞、「〜だ」、呼びかけや意志(渡ろう)、文語の終止形や係り結び
- 続く目印:「て」「ば」「と」、次の名詞にかかる形、「に」「を」「の」
- 口語では動詞や「た」の言い切りの形と、名詞にかかる形が同じなので、どちらにも読める箇所が出る。作るときは、助詞や語順で読ませたい区切りを選ぶ
どこで切るかに正解はありません。区切る案と流れる案を作り、声に出して比べて選びます。
目次
初句切れ、二句切れという言葉は知っていても、自分の歌のどこで切れているのか、切るとどう変わるのかは分からない。この記事では、架空の場面「夕立のあと、歩道の水たまりに信号の青が映っている」を使い、同じ素材で句切れの位置を変えた歌を何首も作ります。音の区切りと意味の区切りを別々に示し、口語で判断が分かれる例や、助詞一字で区切りが変わる推敲も並べるので、読み終えたら自分の歌の区切りを選び直せるようになります。
句切れは「文の切れ目」、句は「音の区切り」
短歌の五つの句(五・七・五・七・七)は、音の数による区切りです。一方、句切れは、一首の途中で文がいったん終わるところを指します。一首が一つの文でできていれば句切れはなく、二つ以上の文でできていれば、最初の文が終わったところが句切れです。
この二つは別々に確かめます。次の歌で、音の区切りと意味のまとまりを並べてみます。
作例・短歌句切れなし:一つの文で流れる歌
| 句 | よみ | 音数 |
|---|---|---|
| 夕立の | ゆうだちの | 5音 |
| あとの歩道に | あとのほどうに | 7音 |
| 信号の | しんごうの | 5音 |
| 青が映って | あおがうつって | 7音 |
| 踏めば崩れる | ふめばくずれる | 7音 |
合計31音(5・7・5・7・7)/短歌の基準どおり
| 句(音の区切り) | 音数 | 句の終わりの形 |
|---|---|---|
| 夕立の | 5 | 「の」で次の言葉へかかる |
| あとの歩道に | 7 | 「に」で次の言葉へかかる |
| 信号の | 5 | 「の」で次の言葉へかかる |
| 青が映って | 7 | 「て」で続く |
| 踏めば崩れる | 7 | 「ば」で続き、「崩れる」で文が終わる |
意味のまとまり:【夕立のあとの歩道に信号の青が映って踏めば崩れる】
音は五つに分かれていますが、文は「崩れる」まで一続きです。どの句も終わりの形が次へつながっていて、文が終わるのは最後の「崩れる」だけなので、この歌は句切れなしです。
句切れの有無は、音数とは関係がありません。五・七・五・七・七がそろっていても句切れはあり得ますし、字余りの歌でも句切れなしのことがあります。音数はかな入力の音数確認などで別に数え、句切れは文の形で確かめます。
文が終わる形、続く形を見分ける
句切れを見つけるには、各句の終わりの言葉が「ここで文を終える形」か「次へ続く形」かを見ます。
| 分類 | 句の終わりの形 | 例 |
|---|---|---|
| はっきり切れる | 終助詞(か・よ・ね・な) | 渡ろうか・青いよ |
| はっきり切れる | 意志・呼びかけ・命令 | 渡ろう・見てごらん |
| はっきり切れる | 「〜だ」で言い切る | 水びたしだ |
| はっきり切れる | 文語の終止形、係り結びの結び | 見ゆ・けり・ぞ…ける |
| 判断が分かれる | 口語の動詞・形容詞・「た」 | 映った・変わった・青い |
| 判断が分かれる | 名詞で終わる句(体言止めか、助詞の省略か) | 水たまり・水びたし |
| 続く | 「て」「ば」「と」「ながら」 | 映って・踏めば |
| 続く | 「に」「を」「が」「の」で次の言葉へ | 歩道に・信号の |
「判断が分かれる」の欄が、口語の短歌で迷いやすいところです。精選版 日本国語大辞典は、口語では形容動詞と助動詞の一部を除いて、連体形(名詞にかかる形)と終止形(言い切る形)がすべて同じ形だと説明しています。「映った」は、「青が映った。」と言い切る形にも、「青が映った水たまり」と名詞にかかる形にもなります。どちらで読むかは、次に来る言葉と意味で決まります。
同じ辞典は、文語では四段活用の動詞以外は連体形と終止形に区別がある、とも述べています。文語の「見ゆ」(終止形)と「見ゆる」(連体形)のように形が違えば、文がそこで終わるかどうかは形で分かります。文語の活用については短歌の口語と文語の違いで扱っています。
初句から四句まで、切れる位置を変えて詠む
同じ場面で、文の切れ目を初句から四句まで動かした歌を並べます。【 】が一つの文のまとまりです。
初句切れ:最初の一言で言い切る
作例・短歌初句切れ
| 句 | よみ | 音数 |
|---|---|---|
| 渡ろうか | わたろうか | 5音 |
| 夕立のあと | ゆうだちのあと | 7音 |
| 信号の | しんごうの | 5音 |
| 青が映った | あおがうつった | 7音 |
| 歩道を踏んで | ほどうをふんで | 7音 |
合計31音(5・7・5・7・7)/短歌の基準どおり
【渡ろうか】【夕立のあと信号の青が映った歩道を踏んで】
初句の「か」で、自分への問いかけが言い切られます。二句以下は「踏んで」で終わる言いさしの形で、意味の上では「(歩道を踏んで)渡ろう」と初句へ戻ってかかります。語順を入れ替えて強めたい言葉を先に出す、倒置と呼ばれる形です。最初の五音で決心を見せ、残りの四句でその理由になる景色を差し出すので、読者は先に作者の声を聞くことになります。
二句切れ:短い観察のあとに、長い動作
作例・短歌二句切れ
| 句 | よみ | 音数 |
|---|---|---|
| 信号の | しんごうの | 5音 |
| 青が映るよ | あおがうつるよ | 7音 |
| 夕立の | ゆうだちの | 5音 |
| あとの歩道を | あとのほどうを | 7音 |
| 踏んで渡ろう | ふんでわたろう | 7音 |
合計31音(5・7・5・7・7)/短歌の基準どおり
【信号の青が映るよ】【夕立のあとの歩道を踏んで渡ろう】
二句の終わりの「よ」は終助詞なので、ここで文が言い切られます。五・七で一つ、残りの五・七・七で一つという形です。「よ」を付けた理由は、あとの「語順を変えると、句切れが移る」で説明します。
三句切れ:上の句と下の句が二つの文になる
作例・短歌三句切れ
| 句 | よみ | 音数 |
|---|---|---|
| 夕立の | ゆうだちの | 5音 |
| あとの歩道は | あとのほどうは | 7音 |
| 水びたし | みずびたし | 5音 |
| 信号の青 | しんごうのあお | 7音 |
| 踏んで渡ろう | ふんでわたろう | 7音 |
合計31音(5・7・5・7・7)/短歌の基準どおり
【夕立のあとの歩道は水びたし】【信号の青踏んで渡ろう】
名詞で終わる句は、体言止めとして切れるのか、助詞が省かれて次へ続くのか、判断が分かれることがあります。この歌では、二句の「は」が、そのあとに「どうなのか」を述べる言葉を求めています。その答えが三句の「水びたし」です。「歩道は水びたし(だ)」で文が閉じるので、ここで切れます。上の句で景色を言い切り、下の句で自分の行動を置く形になり、見たものとしたことが二つに分かれて並びます。
四句切れ:最後の七音を独立させる
作例・短歌四句切れ
| 句 | よみ | 音数 |
|---|---|---|
| 夕立の | ゆうだちの | 5音 |
| あとの歩道に | あとのほどうに | 7音 |
| 信号の | しんごうの | 5音 |
| 青が映った | あおがうつった | 7音 |
| 踏んで渡ろう | ふんでわたろう | 7音 |
合計31音(5・7・5・7・7)/短歌の基準どおり
【夕立のあとの歩道に信号の青が映った】【踏んで渡ろう】
「映った」のあとに「踏んで」という動詞が来るので、「映った」が名詞にかかる読み方はできません。ここで文が切れます。四句までの長い観察のあと、結句の七音だけで決心を言うので、最後の一句が際立ちます。
五つの歌の区切りを並べる
| 歌 | 文の切れ目 | 一首の手触り |
|---|---|---|
| 句切れなし | なし | 景色から崩れる瞬間まで、一息に流れる |
| 初句切れ | 初句のあと | 最初に作者の声。残りが理由や景色になる |
| 二句切れ | 二句のあと | 短い観察を言い切ってから、長い動作へ移る |
| 三句切れ | 三句のあと | 上の句と下の句が二つの文として向き合う |
| 四句切れ | 四句のあと | 長い観察のあと、結句だけが独立して残る |
手触りの欄は、作例を声に出したときの一つの聞こえ方です。同じ位置で切っても、言葉によって印象は変わります。
句切れの位置は、昔から歌の調子と結びつけて語られてきました。デジタル大辞泉は、短歌で第二句・第四句で切れるものを五七調と呼び、万葉集に多いとしています。七五調については、第三句で多く切れるもので古今集以後に発達したと説明し、ブリタニカ国際大百科事典は、三句切れ・初句切れの歌が七五調になりやすいとしています。作るときは名前を覚えるより、五・七のまとまりで区切れるか、七・五のまとまりで区切れるかを、自分の歌を声に出して確かめるほうが役に立ちます。
古典の歌で確かめる
文語の歌では、切れ目が言葉の形にはっきり表れます。小倉百人一首の小野小町の歌(『古今和歌集』春)を、嵯峨嵐山文華館のページに示された表記で見てみます。
| 句 | 表記 | 読み | 音数 | 意味のまとまり |
|---|---|---|---|---|
| 初句 | 花の色は | はなのいろは | 6 | 【花の色はうつりにけりな】 |
| 二句 | うつりにけりな | うつりにけりな | 7 | (「な」で言い切る) |
| 三句 | いたづらに | いたずらに | 5 | 【いたづらにわが身世にふるながめせしまに】 |
| 四句 | わが身世にふる | わがみよにふる | 7 | |
| 結句 | ながめせしまに | ながめせしまに | 7 |
二句の「けりな」で文が言い切られる二句切れの歌です。三句以下は「〜間に」で終わり、意味の上では「(ながめせし間に)うつりにけり」と前の文へ戻ってかかります。作例の初句切れの歌と同じく、言い切りのあとに理由や時間を添える形です。初句は六音の字余りですが、句切れの位置とは関係がありません。音数と句切れが別のものだという例にもなります。
語順を変えると、句切れが移る
二句切れと四句切れの歌を見比べると、使っている言葉はほとんど同じです。語順を入れ替えると、切れ目の位置が動きます。
語順を入れ替えて、句切れを四句から二句へ
四句切れ
作例・短歌四句切れの語順
| 句 | よみ | 音数 |
|---|---|---|
| 夕立の | ゆうだちの | 5音 |
| あとの歩道に | あとのほどうに | 7音 |
| 信号の | しんごうの | 5音 |
| 青が映った | あおがうつった | 7音 |
| 踏んで渡ろう | ふんでわたろう | 7音 |
合計31音(5・7・5・7・7)/短歌の基準どおり
二句切れ
作例・短歌二句切れの語順
| 句 | よみ | 音数 |
|---|---|---|
| 信号の | しんごうの | 5音 |
| 青が映るよ | あおがうつるよ | 7音 |
| 夕立の | ゆうだちの | 5音 |
| あとの歩道を | あとのほどうを | 7音 |
| 踏んで渡ろう | ふんでわたろう | 7音 |
合計31音(5・7・5・7・7)/短歌の基準どおり
変更の理由
- 「信号の青が映った」という文を、一首の後ろから前へ移しました。最初の文が短くなるので、切れ目は四句から二句へ移ります。
- ただし、移しただけの「信号の青が映った夕立のあとの歩道を踏んで渡ろう」では、「映った」が後ろの「歩道」にかかり、一続きの文(句切れなし)としても読めてしまいます。口語では、言い切る形と名詞にかかる形が同じだからです。二句で切れると読ませるために、終助詞「よ」を付けた「映るよ」にしました。
- 移したあと、「歩道に」を「歩道を」に替えています。四句切れの歌では「歩道に(青が映った)」でしたが、二句切れの歌では「歩道を(踏んで渡ろう)」と、あとの動詞につながる助詞が必要になるからです。
- 四句切れでは、観察が長く、決心は結句の七音だけです。二句切れでは、観察は五・七の短い一文で済ませ、残りの十九音が歩道を渡る行為に使われます。焦点が、映った青から、渡るという行為へ移ります。
語順を入れ替えるときは、動かした文の前後で、助詞が次の言葉に正しくかかっているかを確かめます。言葉を並べ替えただけで助詞をそのままにすると、文がつながらなくなったり、別の意味に読まれたりします。
口語で判断が分かれる例
句切れは、いつも一通りに決まるとは限りません。特に口語の歌では、作者が意図しなかった切れ目で読まれることがあります。
作例・短歌二通りに読める歌
| 句 | よみ | 音数 |
|---|---|---|
| 夕立の | ゆうだちの | 5音 |
| あとの歩道で | あとのほどうで | 7音 |
| 信号が | しんごうが | 5音 |
| 青に変わった | あおにかわった | 7音 |
| 水たまり踏む | みずたまりふむ | 7音 |
合計31音(5・7・5・7・7)/短歌の基準どおり
| 読み方 | 意味のまとまり | 読まれる場面 |
|---|---|---|
| 四句切れとして読む | 【夕立のあとの歩道で信号が青に変わった】【水たまり踏む】 | 本物の信号が青になり、作者は水たまりを踏んで歩き出す |
| 句切れなしとして読む | 【夕立のあとの歩道で信号が青に変わった水たまり踏む】 | 水たまりに映った信号が青に変わり、その水たまりを踏む |
「変わった」は、言い切る形にも、「水たまり」にかかる形にもなります。四句切れで読めば、信号機そのものを見上げている歌です。句切れなしで読めば、作者の目は足もとの水たまりにあり、映った信号の色が変わるのを見ています。どちらも成り立つ読み方で、どちらが正しいとは言えません。
二通りに読めることが歌の奥行きになる場合もあります。けれども、作者が片方の場面を見せたいなら、読み方を一つに寄せることができます。次の節で、その直し方を見ます。
注意学校の問題の句切れとの違い
国語の問題では、体言止めの句を句切れとみなすなど、答えを一つに決めるための約束が示されることがあります。作る側にとって大事なのは名前を当てることではなく、読者にどこで息をつかせたいかを自分で選ぶことです。判断が分かれる箇所は、自分の歌では「意図した二通り」か「意図しない二通り」かを確かめます。
助詞と述語の関係で、区切りを選ぶ
句切れを動かすいちばん小さな方法は、助詞を一字替えることです。前の節の二通りに読める歌を、それぞれの読み方に寄せて直します。
「が」を「の」に替えて、流れる歌に寄せる
修正前
作例・短歌二通りに読める歌
| 句 | よみ | 音数 |
|---|---|---|
| 夕立の | ゆうだちの | 5音 |
| あとの歩道で | あとのほどうで | 7音 |
| 信号が | しんごうが | 5音 |
| 青に変わった | あおにかわった | 7音 |
| 水たまり踏む | みずたまりふむ | 7音 |
合計31音(5・7・5・7・7)/短歌の基準どおり
修正後
作例・短歌句切れなしに寄せた歌
| 句 | よみ | 音数 |
|---|---|---|
| 夕立の | ゆうだちの | 5音 |
| あとの歩道で | あとのほどうで | 7音 |
| 信号の | しんごうの | 5音 |
| 青に変わった | あおにかわった | 7音 |
| 水たまり踏む | みずたまりふむ | 7音 |
合計31音(5・7・5・7・7)/短歌の基準どおり
変更の理由
- 「が」を「の」に替えると、「信号の青に変わった」は、そこで言い切るより、次の「水たまり」にかかる言い方として読まれやすくなります。今の日本語では、主語を示す「の」は、ふつう名詞にかかる部分の中で使われるからです(「信号の変わった交差点」とは言っても、「信号の変わった。」と言い切ることはまずありません)。「信号の青」とひとまとまりに読んだ場合も、「信号の青に変わった水たまり」となり、やはり水たまりの色の話として続きます。
- これで、目は足もとの水たまりに向きます。映った信号の色が変わる瞬間と、それを踏む足が一続きになりました。
- 失ったもの:信号機そのものが変わる、街の時間の流れです。作者の視線は、下に固定されます。
結句を替えて、四句切れに寄せる
修正前
作例・短歌二通りに読める歌
| 句 | よみ | 音数 |
|---|---|---|
| 夕立の | ゆうだちの | 5音 |
| あとの歩道で | あとのほどうで | 7音 |
| 信号が | しんごうが | 5音 |
| 青に変わった | あおにかわった | 7音 |
| 水たまり踏む | みずたまりふむ | 7音 |
合計31音(5・7・5・7・7)/短歌の基準どおり
修正後
作例・短歌四句切れに寄せた歌
| 句 | よみ | 音数 |
|---|---|---|
| 夕立の | ゆうだちの | 5音 |
| あとの歩道で | あとのほどうで | 7音 |
| 信号が | しんごうが | 5音 |
| 青に変わった | あおにかわった | 7音 |
| さあ渡ろうか | さあわたろうか | 7音 |
合計31音(5・7・5・7・7)/短歌の基準どおり
変更の理由
- 結句を「さあ」で始めると、「変わった」がそのあとの言葉にかかることはできません。四句のあとで文がはっきり切れます。
- 信号が変わるのを見て、自分に声をかける、という場面になりました。結句が独立し、作者の声が最後に残ります。
- 失ったもの:水たまりという具体物です。足もとの景色が消え、街角の信号の歌になりました。水たまりを残したいなら、前の「の」に替える直し方のほうが合います。
助詞と述語の関係でよく使う調整を、まとめます。
| したいこと | 調整の例 | 起きること |
|---|---|---|
| 切れ目を消して流す | 「が」を「の」に替える(信号が→信号の) | 述語が次の名詞にかかり、文が続く |
| 切れ目を消して流す | 言い切る形を「て」の形に替える(映った→映って) | 文が次の句へ続く |
| 切れ目をはっきりさせる | 次の句を動詞・副詞・呼びかけで始める(踏んで・さあ) | 前の述語が名詞にかかる読み方ができなくなる |
| 切れ目をはっきりさせる | 終助詞を付ける(渡ろうか・青いよ) | そこで言い切られる |
| 文を閉じる場所を作る | 「は」で話題を出し、述語で受ける(歩道は水びたし) | 述語の来たところで文が閉じる |
区切りを変えて推敲する手順
自分の歌の句切れを確かめ、別の区切りを試すときは、次の順で進めます。
手順句切れを選び直す手順
- 読みをかなで書き、句ごとの音数を数える(句切れとは別の確認として先に済ませる)。
- 各句の終わりの言葉に印を付ける。「はっきり切れる形」「判断が分かれる形」「続く形」の三つに分ける。
- 文のまとまりを【 】で囲む。判断が分かれる箇所は、切る読み方と続ける読み方の両方で囲んでみる。
- 二通りに読める箇所があれば、意図した二通りかどうかを決める。意図しないなら、助詞か次の句の始まりを替えて、読み方を一つに寄せる。
- 別の区切りの案を一つ作る。句切れがある歌なら流れる案を、流れる歌なら切る案を作る。語順を動かした場合は、助詞のかかり方を確かめる。
- 二つの案を声に出して読み、一首で一番残したいもの(景色・動作・作者の声)が最後まで届く案を選ぶ。
切れ目を作ると、上の句と下の句が二つの文として向き合います。前半と後半で何を受け継ぎ、何を転じるかを整えたいときは、次の記事で、同じ上の句に違う下の句を付けた比較が使えます。
自分の歌で、区切る案と流れる案を作る
練習一首の句切れを動かす(25分)
- 自作の歌を一首選び、句ごとの音数と、文のまとまり(【 】)を別々に書き出します。
- 今の句切れの位置を書きます。判断が分かれる箇所があれば、二通りの読み方を両方書きます。
- 句切れがある歌なら、助詞や「て」の形を使って流れる案を、句切れのない歌なら、終助詞や語順の入れ替えで切る案を作ります。
- 二つの案を声に出して読み、どこで息をついたか、最後に何が残ったかを一行ずつ書きます。
- 残したいものに近い案を選び、選ばなかった案は理由と一緒に保存しておきます。
確認表句切れの確認表
-
音数(五・七・五・七・七)と、文の切れ目を別々に確かめた
-
文のまとまりを【 】で囲み、切れ目の位置を言える
-
口語の動詞・形容詞・「た」で終わる句について、言い切りと名詞にかかる読みの両方を試した
-
二通りに読める箇所は、意図したものか、意図しないものかを決めた
-
語順を入れ替えたあと、助詞が次の言葉に正しくかかっている
-
区切る案と流れる案を両方作り、声に出して比べた
-
句切れの名前ではなく、どこで読者に息をつかせたいかで選んだ
句切れや語順を変えたあと、一首全体の説明の多さや助詞の硬さが気になるときは、短歌の推敲のやり方の順番で見直せます。